目 次
 本ブログは、通常のブログのように順を追って読むと、恐らく混乱し、わけのわからないことになってしまいます。
 すべての記事は、下の目次で整理されています。
目次でご興味のわいたところを探していただけると、少しは読みやすくなると思います。

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 作者プロフィール
■第10話「助っ人…参上」

 さらに時は流れ、3年の春…大会まであと2カ月余り

 もちろん、こんな俺にも悩みはあった。
俺もバスケをそこそこやっていた。だから、スポーツ全般に共通な基礎的なことは教えられる。それは自分がかつて部活をやったときにたたきこまれたことだからだ。だが、もちろん時代は違う。そしてサッカーにはサッカーの組織的な練習がある。それがまともにできない。当たり前だ。

 本を読んでも、写真を見ても、テレビを見てもわからないものはわからない、できないものはできない。それに人数が少なすぎて練習にならないことも多かった。

 だれかいないか、だれかわかる人は、できる人はいないのか…。

 
 そんなとき、ひょっこりあらわれた青年がいた。
この青年、ここの中学出身で大学卒業までずっとサッカーをやり続けていたのだそうだ。大学を卒業して、家業を継ぎに帰ってきたのだという。

「シメタ!!」と思った。

 彼には申しわけないが、たまたま練習を見にきた彼を俺は、この先、決して離すまいと心に誓ったのだった。

 強力な助っ人だった。何でもできる、上手、とってもお上手なのだ!!
   「バンザ〜イ」


 そして俺は、春から「社会人コーチ」という名目を学校からいただき、正式に校内へ入ることが許可された。

 今、世の中で騒がれている「学社共同」「官民協働」「学校開放」なんていう言葉が存在するずっとずっと前の話だ。

 この先見性のある先生方の配慮に本当に感謝した。

 実は、勝手なおやじに困り果てた先生方、うまいこと名目をつけたという噂もあったが…まあ、いいではないか。

<中学部活編>
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■あとがき

前書きに

 中学3年間、ただ一生懸命、真面目にサッカー部の練習してきた長男の姿に打たれ、廃部の危機にあったサッカー部を、「つぶしてたまるか」と
ジャージ、サッカーシューズ、ホイッスル、練習用コーン、練習用ボール数個を買い込み
許可もなく、いきなり中学のサッカー部の押しかけコーチをやりだした。

 と書いてあった。

     今思えば、無茶苦茶だった

というか、そのときもさすがの俺も無茶苦茶だとはわかっていた。
 しかし、それ以外に俺にできることはなかった。

 事の始まりの「廃部」のことも、事実かどうか、誰も確認したわけではない。ただの噂だったのかもしれない…なのに、走ってしまった。

実に、マヌケなおやじだ。

 今になってよくよく考えてみれば、長男ナオトには非常な迷惑をかけたのかもしれない。(「よくよく考えなくてもそんなことわかだろう」という声もあるが…)奴としてみれば、おやじがやるっていんだから我慢すっか、なんていつまでたってもガキのような俺を気遣ってくれていたのかもしれない。

 ナオトは、その後、高校へ進学、3年間サッカー部でずっと頑張った。そして某国立大学工学部へ進学し、フットサルをやると言いながら、実はマジックとか奇術とかいう部に入り、ショーマンになるべく、1日4時間も練習しているという…何を考えているのか、俺にはわからないが、本人はいたって真面目に努力していると胸を張る。

 そして、助っ人の若者コーチは、俺がずっと離さなかったことが災いして、その後、俺の跡を継いでくれ、一中サッカー部の社会人コーチとして活躍してくれた。
 そしてナオトが卒業後、次男ゲンが一中に入学し、サッカー部に入部したの、そのゲンの面倒を見てくれることになる。
 ゲンの頃には、一中サッカー部は部員もそこそこ集まり、地区の大会で優勝するほどになってくれた。

 ナオトがよく言う、「いいよな、ゲンは、いつも俺ばっかり苦労して」
 そのとおりだ。弟のゲンは、兄の道をしっかり見て、うま〜く生きていく術を知っているようだ。

 そして、俺自身ですが、実は、時系列的には…この後、次男が6年生になり、「少年サッカー編 第9話」へと続いていくことになるのです。

 そして、最後に
 トラックバックしてくださった「たく丸おやじさん」、コメントをいただいた「めろんさん」「じゅんちゃんさん」、とても心の励みになりました。この場を借りてお礼を申し上げます。
 ブログの使い方がわからず、どうやってお返事を出していいかわからず、そのまま…ずるずるとなってしまいました。
どうか、失礼をお許しください。

 まだまだ「おもろい」ことはいっぱいあります。
 また、書きます。


 最後まで、この物語につき合っていただいき、ありがとうございました。

    かまたり

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■第21話 ドキュメンタリー 最終戦 「攻 撃」

 懸命に戦うも、2点を先取された我が一中サッカー部
 しかし、それでも彼ら11人の燃える闘志

     俺は決めた…攻めるしかない。

指示を出した。「攻めるぞ!」
「宮本、バックから右のハーフに入れ」
宮本「ウ〜ッシッ」
「ナオト、ハーフのセンター、攻めに回れ」
ナオト「オッス」
「ヤマ、ハーフの三沢の位置に」
ヤマ「オッシ」
「三沢はトップの右…ツートップで行く」
三沢「オッシャ!」
「フミ…フミ、お前ボランチに入れ、敵のボールをとにかく蹴り返せ」
フミ「ハイ」
奴らの小さいが、攻める気合いある声が俺の一言、一言に帰ってきた。

 …後半開始…

 円陣を組み、みずからの闘志を高揚させる彼ら、でっかいかけ声とともに、各々のポジションに散った。

 主審のホイッスルが鳴った。4バックから3バックに、トップを2トップにした。
 後半開始の5分が怖かった。薄くなった守り、ここで取られたら、もう彼らに気力は残らない。

 しかし、攻めるしかない、守っても点は入らない。

「ラインを上げろ、フォアードももっと前でプレッシャーをかけろ」
彼らは踏ん張った。前列の選手たちが、強いプレッシャーをかける。そのおかげで、相手は今までのきれいなスタイルで攻めてこれない。

怖かった後半5分はしのいだ。

 センターに入ったナオトがボールを奪った。両サイドはそれを見て、一気に走り出した。
 ナオト、ドリブルで二人のマークのうち一人をかわして、チャンスをつくる。

左ハーフ谷川がナオトに大声で声をかける…
ナオト、谷川にパスを出そうとした、そのとき、相手の選手がスライディング
…足を蹴られ、ナオトは吹っ飛んだ。
…まだ熱があるのに…
…「もう立てないかもしれないな」
…不思議なことに、我が子が倒れているのを冷静に見ていた。

   だが…交代選手はいない。

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■第19話 ドキュメンタリー 最終戦 「痛恨のファール」

 1点先取された、我がチーム、しかし彼らはあきらめなかった。

 フォアード、マサは、自陣ゴールにゆっくりボールが転がっていくのをじっと見詰めていた。
「まだまだ…」の大声に悔しさがにじんだ
「取り返すぞ…」ハーフ陣もその声に続いた。
奴らの目の輝きはまだ消えていなかった。

 まだ、前半だというのに、お互いの当たりは、どんどん強くなり、ファールの数も増えてきた。1人、また2人と選手が倒れ、相手チームは選手を交代した。
「粗い試合だ…」そんな声が耳に入った。
 そのとおりだ。俺もこんな粗い試合は見たことがない。
しかし、今の奴らに…ほかに何ができる。
奴らの気迫が形になっている。これしかない…

 ぶつかりあった選手同士、同じ痛みでも、こちらには控えの選手すらいない…
「おれたちは11人しかいない。交代もできないんだ。」
そんな気持ちで、痛みをこらえながら、プレーし続ける彼ら…
 相手も本気だった。もうニヤついているヤツなんかだれもいない。奴らを必死させることができた。

 応援に来ている親たちの中には、弱い弱い、我がチームの試合に全く興味もなく、「しようがない、最後だし、見に行ってやるかぁ〜」ぐらいで来た人がほとんどだった。
 自分の子供の試合を初めて見に来た親、ルールも全く知らない親…
 そんな親たちが、かたずを飲んで自分の子供を見守っていた。

 本気になった相手の攻撃は、さらに厳しくなった。必死に守り、攻撃のチャンスを待つ我がチーム
 そして、バックが頑張り、ボールを奪った。ナオトにボールが渡った。
 ナオト、間髪入れずに「上がれっ!」の声とともに、既に走り出していた右ハーフ三沢の前のスペースにロ〜ングパス…
    起死回生をねらった一発のパス

 三沢、走る、走る、走る。
ヤツの足もまたピカイチだ。自分のマークを振り切り、相手の裏に走り込んだ。パスが通った。
ラインが一斉に上がる。

  あいつらの目の色が変わったように見えた。

 三沢、そのまま足を使ってドリブルでサイドを駆け上がる。
 フォアード、ハーフ陣、センタリングに備えて、ポジションに走り込む

「上げろ!!」若手助っ人コーチが大声で指示を出した。

 三沢、相手バックをかわし、体制を崩しながらも、センタリング
「長い…」
 ボールは、待機していた味方攻撃陣の頭上を越え、相手バックがボールをキープ…

そして…なが〜い、縦パス
 「あっ…」
 敵フォアードは既にスペースに走り込んでいた。
顧問の先生「やられた…」

「戻れ〜」俺が怒鳴る
 敵は待ちかまえていたように、カウンターを仕掛けた。あっという間に、パスは通り、フォアードにボールが渡ってしまった。

「とめろ〜」味方の親たちから大声が聞こえた。

 1年生バック宮本が追いついた。フォアードと1対1
 相手の点取り屋を相手に4月に入ったばかりの1年生が立ち向かった。

 宮本では荷が重すぎる。みんなわかっていた。必死で戻る、ハーフ陣、ナオトも懸命にフォローに向かうが、とても間に合わない。
「鬼頭、戻れ、鬼頭、走れ〜」バックの鬼頭に俺が怒鳴るが…ブラジル帰りの2年生センターバック鬼頭は、上がりすぎて戻ってこれない…

 宮本がかわされた…

そのとき、なんと逆サイドから左バック、トシが猛然とフォローに走った。
敵フォアード、シュート態勢に入った、
トシ、猛チャージ…
フォアードは吹っ飛んだ。トシもぶっ倒れた。

 「ピィィー」…冷たい笛が鳴った。

つづく

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■第17話 ドキュメンタリー 最終戦 「かましたれ!」

 対戦相手の抽選が終わり、顧問の先生が対戦表を部員全員に配り、俺には印刷前に事前に教えてくれていた。
 先生がプリントを配り「1回戦の相手は、北中学校です。」と言った。その瞬間、部員たちの表情は曇った。思ったとおりだった。
 組み合わせ次第では、何とか1勝できるかと、かすかな期待を持っていた部員たちは、明らかに落胆していた。完全に意気消沈…。

 対戦相手の北中は、秋の新人戦で県ベスト4になった。その新人戦の後、頼み込んで練習試合をしてもらったが、7対0で我が一中が、完敗した相手だった。

    超強敵…というか、俺たちには格が違いすぎる相手だった。

 そして試合当日(土曜日)…
●第1試合 VS 北中学戦
 試合前、あの対戦相手発表のときの彼らの落胆を引きずっていた。
 アップをしていても、笑顔すら見えない。声も出ていない。キャプテンのナオトすら、下を向いたままボールを蹴っていた。

アップを終えて、選手を集めた。
「座れ…作戦会議を始める」
車座になって、選手たちが座る。やはり下を向いてしまった。
「お前ら…負けると思てるやろ…」
選手達が、さらに下を向き「……。」
「勝ちたないんか?」
「勝ちたいです…」と、パラパラと細々とした声
「そやったら、お前ら、上向けよ…そんな下向いてどうすんねんや」
「あいつらスッゲーうめえもん」とセンターハーフのヤマ
「そやな、あそこのメンバーはほとんど少年サッカーからずっとまじめに練習してきた選手や、テクニックでかなう相手やないわ」
「体でけえよなぁ…」とキーパー吉田
「お前らとは筋肉が違うわ、鍛えとるからのぉ」
「やっぱり勝てねえよ…」谷川
「もし勝てるとしたら、お前らに残ってんのは、何や…精神力しかないやろうが、お前らが、勝ちたいと思う気持ち以外、相手に勝てるものはないやろう、ずっと一生懸命練習してきた奴らの方が強いのは当たり前や。それに勝つためには、ヤツらを上回る気力しかないやろう…」

「でもなぁ〜」キーパー吉田
 そのとおりだった。精神論で勝てるなら、そんな楽なことはない。
 でも、俺も必死だった。何とか、彼らの今の「あきらめ」に近い気持ちを払拭し、「よ〜し、やったろうやないか」せめて、そんな気迫を持たせたかった。

  それしか…ただ、それしか俺たちにはなかったから…。

 話は精神論から作戦に移った。

「北中の攻撃は、ポストプレー中心だったな、覚えているか? 練習試合でそれで5点取られた。ヤマ、ナオト、あのセンターのでかい奴にボールを持たせるな、これはお前らの仕事や。もし、持たれたら、絶対前を向かせるな…。」ヤマとナオトが顔を見合わせて、俺の方を向いてうなづいた。

 「バックのトシとフミ…、向こうの両サイドの奴らは、ゆっくり来て、裏をねらって思い切り走り込んでくるから、そこを気をつけること。下手にボールを取りに近づくな。」…サッカー経験者のトシが、4月に入った3年生フミに話しかけている。そこへ若手助っ人コーチがコーチングに行く。

 部員たちが、自分たちの仕事を確認しだした。あちこちで、ヒソヒソと相談をしている。よしよし、雰囲気出てきたぞ〜。しばらくほうっておいた。

 「谷川、三沢…バックのトシとフミはかなりしんどくなるから、向こうのハーフにボールが渡ったら、すぐ戻ってバックと二人がかりで挟み込め。空いたところはナオトがスライド…ええか。」
 三沢が「はいっ!」と返事をした。初めて部員から声が出た。

 「それから、ここが大事や、よ〜聞けよ。あいつら、絶対、俺らが弱いと思って、油断してきよる。試合開始の始めが肝心やで…一発目の当たりで、ドーンとかましたれ、びっくりしよるぞ。
 当たりは早め早めに、遅れた当たりは抜かれるだけやからな、体を入れて、腰を落として、絶対押し負けるな、あいつらに気力ぶちかましたれ。ええかぁ!」
「はぁい!」と部員からやっと、声が出だした。

 「それから最後に、マサ、お前はフォアードや、今日は絶対ハーフラインから戻ってくるな。バックの連中を信じろ、きっと守ってくれる。そしてお前にパスを出してくれる。それまで耐えろ、お前が戻ったら、1点も得点できない。味方を信じろ…わかったか? マサ」
「うん…」マサは俺を見てうなづいた。

 全員が俺の方をやっと向いてくれるようになった。
「さあ、行くでぇ! 行くでぇ!!」
選手「おーし!」
「よし、行ってこい」かけ声とともに選手を送り出した。

…選手達は整列した。
 北中…完全に余裕の表情…にやにやと話をしている。
 互いに礼をし、全員がポジションに走った。
 形をつくり、ナオトが全員を見渡しながら、「一中、いくぞ〜!」と大きな声をかける。「お〜」と自分に気合いをいれるように、でかいが声を返ってきた。なかなか、気合いだけは入ったかな…。

 北中のキャプテンが声を出す「みんな声出していこう!」と冷静な声、「お〜!」と、これまた余裕の声が返ってくる。

 俺は、だんだん腹が立ってきた。
北中の生徒たちが悪いことをしているわけでもなんでもない。

 ただ、その「余裕」が気にくわない。

 ふと、横を見ると、顧問の先生、助っ人青年コーチもぶ然とした表情でグラウンドを見詰めていた。思いは同じだ。

 審判がキーパーに確認し、時計を見た。
 もう、俺はベンチで奴らを見守ることしかできない。

 そして、俺はひたすら思った…

「いってまえ、あんな奴ら、かましたれ!」


つづく

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