■第20話 鉄の結束(その1)
先日の副キャプテンのお父さんと話し合いをするという日になった。いろいろ話をしたが、結局、「ハシモトさん、まとめてくださいよ」というとになり、一任されてしまった。何の話し合いだったのだろう?
その夜、仕事が終わってから、パソコンに向い、一気に書き出した。要は、誰にも「おやじ監督」「おやじコーチ」を許さない、という内容だった。つまり、練習や試合中の勝手な指示を一切禁止するというものだった。もちろん、自分の子供に対してもだ。
さらに、監督・コーチに要求、提案がある場合は保護者の代表、つまり俺を通さなければならないということ、その他もろもろ10項目ほどだった。

パソコンに向い、文章を書いているうちに、ブルスリー主演の映画「燃えよドラゴン」を見た後のように、どんどん自分が強くなっていくような錯覚がたまらなかった。
できた文章を印刷した。カラープリンターがそんなに普及していない当時、高いインクを使ってカラー印刷なんかしちゃったりして、俺の気合いの入れようを表面だけでも強調しようという作戦だった。刷り上がったものを見て、なかなか名文とひとり自画自賛、完全に自己陶酔の世界を満喫してしまった。
しかし、試合前日のことだ。夜…酒を飲んでいると、明日、この文書を監督・コーチに読んでもらい、さらに承認をもらって、その後、親たち全員に配って説明し、了承を得なければならないと思うと…柄にもなく少しずつ不安が広がってきた。
仕事関係や何かで何百人の前でしゃべったことも何度もある。いろんな説明会に説明員として壇上に立ったこともある。だが、それとは違うのだ。何の利害関係もない人に自分の方針を理解してもらい、そしてそれに賛同してもらわなければならない。
改めて、「名文」を読み返していた。すると女房が「○○は、禁止する」とか書いてあるけど「○○は、禁止いたします」の方がいいんじゃないの、な〜んて言う。ちょっとこの文章…強すぎる?なんてふと思ってしまった。
うまくいくだろうか、反対意見が出たらどうしよう…俺なんかサッカーは小学校しかやってないし、周りのおやじの方がずっとよく知っているし、去年からAチームに入っている子供の親もいるし…不安は広がった。
だが、そのまま飲んだくれて寝てしまった。俺らしい…。
<少年サッカー編>
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先日の副キャプテンのお父さんと話し合いをするという日になった。いろいろ話をしたが、結局、「ハシモトさん、まとめてくださいよ」というとになり、一任されてしまった。何の話し合いだったのだろう?
その夜、仕事が終わってから、パソコンに向い、一気に書き出した。要は、誰にも「おやじ監督」「おやじコーチ」を許さない、という内容だった。つまり、練習や試合中の勝手な指示を一切禁止するというものだった。もちろん、自分の子供に対してもだ。
さらに、監督・コーチに要求、提案がある場合は保護者の代表、つまり俺を通さなければならないということ、その他もろもろ10項目ほどだった。

パソコンに向い、文章を書いているうちに、ブルスリー主演の映画「燃えよドラゴン」を見た後のように、どんどん自分が強くなっていくような錯覚がたまらなかった。
できた文章を印刷した。カラープリンターがそんなに普及していない当時、高いインクを使ってカラー印刷なんかしちゃったりして、俺の気合いの入れようを表面だけでも強調しようという作戦だった。刷り上がったものを見て、なかなか名文とひとり自画自賛、完全に自己陶酔の世界を満喫してしまった。
しかし、試合前日のことだ。夜…酒を飲んでいると、明日、この文書を監督・コーチに読んでもらい、さらに承認をもらって、その後、親たち全員に配って説明し、了承を得なければならないと思うと…柄にもなく少しずつ不安が広がってきた。
仕事関係や何かで何百人の前でしゃべったことも何度もある。いろんな説明会に説明員として壇上に立ったこともある。だが、それとは違うのだ。何の利害関係もない人に自分の方針を理解してもらい、そしてそれに賛同してもらわなければならない。
改めて、「名文」を読み返していた。すると女房が「○○は、禁止する」とか書いてあるけど「○○は、禁止いたします」の方がいいんじゃないの、な〜んて言う。ちょっとこの文章…強すぎる?なんてふと思ってしまった。
うまくいくだろうか、反対意見が出たらどうしよう…俺なんかサッカーは小学校しかやってないし、周りのおやじの方がずっとよく知っているし、去年からAチームに入っている子供の親もいるし…不安は広がった。
だが、そのまま飲んだくれて寝てしまった。俺らしい…。
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