■少年サッカー番外編 「おやじコーチA VS おやじ監督B」(1)
少年サッカーのチームには必ず生息している生物「おやじコーチ」、「おやじ監督」
チーム運営している監督・コーチの方にとっては、これほど、うっとうしい存在もなく、またこれほど心強い味方もない、何とも不可解な生物たち。その生態に迫ってみよう。
ある、おやじコーチAが誕生した。
Aさんは、自衛官だった。一見、穏やかな表情には、国家を守る仕事に携わっているような人には見えない。彼自身は、ずっと野球をやり続け、甲子園を目指したそうである。しかし、野球の話をAさんから聞いた者はいない。酒を飲んだときも、飯を一緒に食っているときも、野球の話はしない。不思議だった。
彼の息子は、小学校低学年で少年サッカーチームに入り、学年が上がるにつれ、持ち前の足の速さと才能で、頭角をあらわした。そのとき息子は4年生だった。
彼の息子は、「副キャプテン」に選ばれた。
これが「キャプテン」に選ばれてくれれば…何事もなくチーム運営は進んだろうに、オー!天使はなんといういたずらをしてくれたのだろう…
Aさんは、口には出さないまでも、息子が「副キャプテン」だということが許せなかった。
体格、スピード、技、すべて自分の息子の方がすぐれていると確信していたのだった。そしてその判断は、多くの親たちの支持も得ていた。
そして彼は、ある決断をした。
今まで自分が入っていた社会人野球チームを退団、なんと社会人サッカーチームに入ったのだった。一からみずからサッカーを体験し、学び、息子とともに進む決意をしたのだった。
一方、おやじ監督Bも誕生した。
Bさんは、ある商社に働くサラリーマンであった。中肉中背、いたってフツーの人なのだ。彼はバスケットボールをやってきた人だった。初めのころは、なるほど、BさんはジーパンにTシャツ、そしてバッシュを履いてグラウンドに応援に来ているのを覚えている。
彼の息子は、体は小さいが1年生からずっとチームに所属し、素早い動きと創造性あふれるパス、つまり今、とってもはやりの動き方をする小学生だった。試合のたび、豪快なシュートではなく、スッと入って、スパッと決めてくるという、相手チームの監督たちにとっては、歯ぎしりしたいくらい憎い得点をする子だった。
だれがキャプテンだろう?チームの親たちの予想は、Aさんの息子とBさんの息子で半々だった。しかし、子供たちの人気の点で性格が穏やかなBさんの息子選ばれた。しかし…その裏では、Bさんの裏工作があったといううわさも…聞いた。
Bさんの息子は「キャプテン」になった。
Bさんの動きは素早かった。さすが、第一線の商社マンだ。
彼は、Tシャツからサッカー用のTシャツへ着替えた。ジーパンから黒のハーフパンツに履き替え、そしてバッシュを捨てサッカーシューズを履いた。
あらゆる情報を入手し、まず自分がやらなければならないのは、4級審判の資格を取ることだと考えたのだ。彼は、監督・コーチにその旨を伝え、協力を得て
見事 4級審判の資格を取った。
この時点で、彼は監督・コーチとの距離が急速に縮まっていることを感じた。また、チームの親たちもそれを認めていた。
そのころから彼の姿は、観客席ではなく、グラウンドで見ることが多くなっていった。試合のたび、審判としてグラウンドに立つ姿、もうこれはスタッフ…気分だ。親たちも、だれもがBさん、Bさんと寄ってくるようになった。
そしてAさんは、反撃に出たのだった。
つづく
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少年サッカーのチームには必ず生息している生物「おやじコーチ」、「おやじ監督」
チーム運営している監督・コーチの方にとっては、これほど、うっとうしい存在もなく、またこれほど心強い味方もない、何とも不可解な生物たち。その生態に迫ってみよう。
ある、おやじコーチAが誕生した。Aさんは、自衛官だった。一見、穏やかな表情には、国家を守る仕事に携わっているような人には見えない。彼自身は、ずっと野球をやり続け、甲子園を目指したそうである。しかし、野球の話をAさんから聞いた者はいない。酒を飲んだときも、飯を一緒に食っているときも、野球の話はしない。不思議だった。
彼の息子は、小学校低学年で少年サッカーチームに入り、学年が上がるにつれ、持ち前の足の速さと才能で、頭角をあらわした。そのとき息子は4年生だった。
彼の息子は、「副キャプテン」に選ばれた。
これが「キャプテン」に選ばれてくれれば…何事もなくチーム運営は進んだろうに、オー!天使はなんといういたずらをしてくれたのだろう…
Aさんは、口には出さないまでも、息子が「副キャプテン」だということが許せなかった。
体格、スピード、技、すべて自分の息子の方がすぐれていると確信していたのだった。そしてその判断は、多くの親たちの支持も得ていた。
そして彼は、ある決断をした。
今まで自分が入っていた社会人野球チームを退団、なんと社会人サッカーチームに入ったのだった。一からみずからサッカーを体験し、学び、息子とともに進む決意をしたのだった。
一方、おやじ監督Bも誕生した。
Bさんは、ある商社に働くサラリーマンであった。中肉中背、いたってフツーの人なのだ。彼はバスケットボールをやってきた人だった。初めのころは、なるほど、BさんはジーパンにTシャツ、そしてバッシュを履いてグラウンドに応援に来ているのを覚えている。
彼の息子は、体は小さいが1年生からずっとチームに所属し、素早い動きと創造性あふれるパス、つまり今、とってもはやりの動き方をする小学生だった。試合のたび、豪快なシュートではなく、スッと入って、スパッと決めてくるという、相手チームの監督たちにとっては、歯ぎしりしたいくらい憎い得点をする子だった。
だれがキャプテンだろう?チームの親たちの予想は、Aさんの息子とBさんの息子で半々だった。しかし、子供たちの人気の点で性格が穏やかなBさんの息子選ばれた。しかし…その裏では、Bさんの裏工作があったといううわさも…聞いた。
Bさんの息子は「キャプテン」になった。
Bさんの動きは素早かった。さすが、第一線の商社マンだ。
彼は、Tシャツからサッカー用のTシャツへ着替えた。ジーパンから黒のハーフパンツに履き替え、そしてバッシュを捨てサッカーシューズを履いた。
あらゆる情報を入手し、まず自分がやらなければならないのは、4級審判の資格を取ることだと考えたのだ。彼は、監督・コーチにその旨を伝え、協力を得て
見事 4級審判の資格を取った。
この時点で、彼は監督・コーチとの距離が急速に縮まっていることを感じた。また、チームの親たちもそれを認めていた。
そのころから彼の姿は、観客席ではなく、グラウンドで見ることが多くなっていった。試合のたび、審判としてグラウンドに立つ姿、もうこれはスタッフ…気分だ。親たちも、だれもがBさん、Bさんと寄ってくるようになった。
そしてAさんは、反撃に出たのだった。
つづく
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