■少年サッカー番外編 「おやじコーチA VS おやじ監督B」(2)
おやじ監督Bさんが4級審判員の資格を取り、試合会場ではスタッフとなった。
出おくれたおやじコーチAさんの巻き返しが始まった。
Aさんの動きはBさんとは違った。Aさんは、現場から勢力拡大を図った。
彼は、仕事が早く終わると、自分の練習がない日は、子供たちの練習場へ出かけた。
そして子供たち相手に、実質的なコーチの仲間入りをしようとしたわけだ。
最初のころは、あまり相手にもされなかったAさんだが、持ち前の運動神経と毎日鍛え上げている自衛官体力が物をいい、恐るべき上達速度でうまくなっていった。コーチ陣も一目置くようになった。そして、徐々に徐々に子供たちの信頼を勝ち得てきたのである。
ある日、5年生の試合に4年チームの数人が、助っ人に行くことになった。というか、4年を入れないと勝つチームづくりができないという事情があった。俺は、長男一人を家に置いておくもなんだと思って、既に中学生になっていた長男と4年生のゲンを連れて、いつものように一家で試合に出かけた。
試合会場につき、長男が行くと、かつての先輩が応援に来てくれたと、5年生たちが集まってきた。ナオト先輩、「中学とはどうですか?」「どうして、クラブチームに入らなかったの?」いろんな後輩の質問に、ナオトも先輩風を吹かせて「まあな…」なんて言っていた。
当然この試合の主役は5年生なので、俺たち4年生チームの親たちは、ひっそりとはじっこの方でおとなしくしていた。これが縦社会で生きてきたおやじたちのルールである。
すると、長男のところにAさんがボールを持って近寄っていき、ナオト君、ちょっと練習しようと、子供たちの前でデモンストレーションを始めた。
これが、なかなかのもので、体は小さくてテクニックで生きてきたナオトと十分にやりあっているのだ。4年の親たちも、それをちらちらと見ながら、Aさんサッカーやっていたんだっけ?野球じゃなかったのかな?などと感心していた。
このデモンストレーションが監督の目に止まった。
「オーなかなかやるじゃないか、今度審判の資格も取ってくれよ。もう一人欲しいんだよ」とお墨つきをもらった。
そして彼も4級審判の資格を見事取得した。
これで審判資格で五分と五分、そして自らサッカーをやりだし、子供たちのコーチの端っこまで来たAさんは、一歩リードした。
「努力は決して裏切らない」 Aさんの好きな言葉だった。
つづく
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おやじ監督Bさんが4級審判員の資格を取り、試合会場ではスタッフとなった。
出おくれたおやじコーチAさんの巻き返しが始まった。
Aさんの動きはBさんとは違った。Aさんは、現場から勢力拡大を図った。
彼は、仕事が早く終わると、自分の練習がない日は、子供たちの練習場へ出かけた。
そして子供たち相手に、実質的なコーチの仲間入りをしようとしたわけだ。
最初のころは、あまり相手にもされなかったAさんだが、持ち前の運動神経と毎日鍛え上げている自衛官体力が物をいい、恐るべき上達速度でうまくなっていった。コーチ陣も一目置くようになった。そして、徐々に徐々に子供たちの信頼を勝ち得てきたのである。
ある日、5年生の試合に4年チームの数人が、助っ人に行くことになった。というか、4年を入れないと勝つチームづくりができないという事情があった。俺は、長男一人を家に置いておくもなんだと思って、既に中学生になっていた長男と4年生のゲンを連れて、いつものように一家で試合に出かけた。
試合会場につき、長男が行くと、かつての先輩が応援に来てくれたと、5年生たちが集まってきた。ナオト先輩、「中学とはどうですか?」「どうして、クラブチームに入らなかったの?」いろんな後輩の質問に、ナオトも先輩風を吹かせて「まあな…」なんて言っていた。
当然この試合の主役は5年生なので、俺たち4年生チームの親たちは、ひっそりとはじっこの方でおとなしくしていた。これが縦社会で生きてきたおやじたちのルールである。
すると、長男のところにAさんがボールを持って近寄っていき、ナオト君、ちょっと練習しようと、子供たちの前でデモンストレーションを始めた。
これが、なかなかのもので、体は小さくてテクニックで生きてきたナオトと十分にやりあっているのだ。4年の親たちも、それをちらちらと見ながら、Aさんサッカーやっていたんだっけ?野球じゃなかったのかな?などと感心していた。
このデモンストレーションが監督の目に止まった。
「オーなかなかやるじゃないか、今度審判の資格も取ってくれよ。もう一人欲しいんだよ」とお墨つきをもらった。
そして彼も4級審判の資格を見事取得した。
これで審判資格で五分と五分、そして自らサッカーをやりだし、子供たちのコーチの端っこまで来たAさんは、一歩リードした。
「努力は決して裏切らない」 Aさんの好きな言葉だった。
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