■少年サッカー番外編 「おやじコーチA VS おやじ監督B」(4)
「おやじオーナーCの乱入」
ともに、3級審判員の資格を取得したAさんとBさんの熾烈な戦いは、顔で笑って、水面下では激しい運動をしている、あたかもシンクロスイミングのように続いていた。
そしてある試合のとき、俺たちが会場について車から荷物を降ろしていたときだった。駐車場に、でかい真っ黒なベンツが入ってきた。ワンボックスカーだらけの試合会場の駐車場に、真っ黒なベンツは異様だった。
「なんだ、なんだ…」と、なるべく見ないように、しかし、じっと見ていた。
すると、その真っ黒なベンツからハーフパンツにTシャツ、そしてサングラス姿のおっかなそうなおやじが降りてきた。その姿と黒ベンツとの前衛的コントラストが素晴らしかった。見たこともないおやじに、「だれだ〜あれ」なんて言っているうちのチームの親もいた。
ところが、その車から降りてきたのは、チームの選手、仮にトオル君としておこう、トオル君のお母さんだった。そしてトオル君も降りてきた。どういうこと?
チームの親たちに、トオル君のお母さんがあいさつをしている。引きつった笑顔をしながら、周りのおかあさんたちもあいさつをしていた。どうも、トオル君のおやじさん、試合会場には発登場のようだった。
さて、試合会場まで荷物を運び、自分たちの陣地を準備を始めた。いつもの光景だ。何をどうしていいのかわからない、初登場のトオル君のおやじさん、でも、意外や意外、いろいろと手を貸してくれた。サングラスの下の表情はニコニコ笑いながら、楽しいそうだった。
トオル君のおやじさん、テントの設置などが終わると、礼儀正しく、監督・コーチにごあいさつに向かった。サングラスを外し、監督・コーチの前に立つと、監督もコーチも椅子から立ち上がり、丁寧にあいさつをしていた。
「なんで…いい人じゃん、つまんねえ…」なんていう声が聞こえた。
さて、初登場したトオル君のおやじさん、いきなり全力で飛ばした…とにかく太っ腹なのだ。練習で飛んで行ったボールがベンツを直撃しようが、子供がぶつかろろうが、意に介さない。あれは下駄だそうだ。
「今度、伊豆の別荘へみんなで行ってヨットに乗りましょう」だそうだ。
「遠い試合会場へのバスは私が調達しますよ」…だそうだ。
言っておくが、これは、ゲンたちの一つ上の学年のチームの話だ。
俺ら下の学年のチームの親たちはとってもうらやましかった。俺たちは、上の学年のチームの助っ人としてたまに試合に招集されるだけで、Cさんによるメリットは全く享受できなかった。「伊豆だってよ〜」って感じ。
さて、ここにおやじオーナーCが登場してしまったのである。
つづく
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「おやじオーナーCの乱入」
ともに、3級審判員の資格を取得したAさんとBさんの熾烈な戦いは、顔で笑って、水面下では激しい運動をしている、あたかもシンクロスイミングのように続いていた。
そしてある試合のとき、俺たちが会場について車から荷物を降ろしていたときだった。駐車場に、でかい真っ黒なベンツが入ってきた。ワンボックスカーだらけの試合会場の駐車場に、真っ黒なベンツは異様だった。
「なんだ、なんだ…」と、なるべく見ないように、しかし、じっと見ていた。

すると、その真っ黒なベンツからハーフパンツにTシャツ、そしてサングラス姿のおっかなそうなおやじが降りてきた。その姿と黒ベンツとの前衛的コントラストが素晴らしかった。見たこともないおやじに、「だれだ〜あれ」なんて言っているうちのチームの親もいた。
ところが、その車から降りてきたのは、チームの選手、仮にトオル君としておこう、トオル君のお母さんだった。そしてトオル君も降りてきた。どういうこと?
チームの親たちに、トオル君のお母さんがあいさつをしている。引きつった笑顔をしながら、周りのおかあさんたちもあいさつをしていた。どうも、トオル君のおやじさん、試合会場には発登場のようだった。
さて、試合会場まで荷物を運び、自分たちの陣地を準備を始めた。いつもの光景だ。何をどうしていいのかわからない、初登場のトオル君のおやじさん、でも、意外や意外、いろいろと手を貸してくれた。サングラスの下の表情はニコニコ笑いながら、楽しいそうだった。
トオル君のおやじさん、テントの設置などが終わると、礼儀正しく、監督・コーチにごあいさつに向かった。サングラスを外し、監督・コーチの前に立つと、監督もコーチも椅子から立ち上がり、丁寧にあいさつをしていた。
「なんで…いい人じゃん、つまんねえ…」なんていう声が聞こえた。さて、初登場したトオル君のおやじさん、いきなり全力で飛ばした…とにかく太っ腹なのだ。練習で飛んで行ったボールがベンツを直撃しようが、子供がぶつかろろうが、意に介さない。あれは下駄だそうだ。
「今度、伊豆の別荘へみんなで行ってヨットに乗りましょう」だそうだ。
「遠い試合会場へのバスは私が調達しますよ」…だそうだ。
言っておくが、これは、ゲンたちの一つ上の学年のチームの話だ。
俺ら下の学年のチームの親たちはとってもうらやましかった。俺たちは、上の学年のチームの助っ人としてたまに試合に招集されるだけで、Cさんによるメリットは全く享受できなかった。「伊豆だってよ〜」って感じ。
さて、ここにおやじオーナーCが登場してしまったのである。
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