■少年サッカー番外編 「おやじコーチA VS おやじ監督B」(6)
「酒」
結構チームも強くなり、優勝だの、準優勝だの、その都度、子供たちと一緒に祝賀会らしきものをやった。
いつも俺たち下の学年も「助っ人」に行ったということで招集された。隅っこの方で下の学年の連中は、半分迷惑、半分その試合に参加できたよろこびを語りながら飲んでいる。
すると、向こうの方でだんだん声がでかくなってくる。
これもいつものことだった。おやじコーチAは、酒に弱いのだ。すぐ、真っ赤っかな顔をして、やめておけばいいのに飲む。すると大声になる。本人は悪気はないのだろうが、その威圧的な声でサッカー論を語るのだ。
そして彼のサッカー論は、常に、相手チームは悪いという話に進んでいく。「あのチーム、ふざけてるよね…監督、どう思います?」と、そして監督に酒を注ぐ、監督も酒を注ぐ、すると彼は、また飲んでしまう。また、サッカー論を語ってしまう。
しかし、「相手チームけなし」の彼のテーマは、かなり的をえていて、周りから「そうよ、そうよ」、「そのとおり」などと、相づちが入ってしまうほど人気が高かった。さすが、ビジネスマンA、酔っていてもクライアントの心はつかむ。
でかい声なら自衛官のBさんだろうと思っていたら、Bさんはいたっておとなしく飲むのだ。それもやたら飲む。ビールと同じぐらい日本酒をぐいぐいやってしまう。
彼は、「僕はスタッフだから」という意識か、コーチの隣の席を必ず取る。
そして親たちの話に、スタッフとして答えている。試合の予定や過去の経過など監督・コーチが彼に聞くほど詳しくなっていた。
さすが、「努力は決して裏切らない」を身上に生きてきた人だけあると、俺も感心した。
そして初参加のおやじオーナーCは、ニコニコしながら、伊豆のヨットの話や、ベンツの話や別荘の話をしていた。
だが、飲むほどに表情が変わっていった。いつもはニコニコしているいいおじさんに見えたのだが、やはり酒は人を変える。いや、本性が出ると言った方がいいのかもしれない。
彼の言葉に「俺が…」という言葉が1行に3回ぐらい出てくるようになっていた。「俺が…やってやった」「俺が…してやった」「俺が…寄附してやった」…なるほどと思った。
3人を含め、チームの親は監督・コーチと話をしたがるのが、この場の常なのだ。
だが、監督・コーチは大変だ。「なんで、あのとき点が入っちゃったですかね」なんて親に言われて、酔っているとはいえ、「お前のバカ息子があんなところで、余計なドリブルするから、あんなことになるんじゃないかよ」なんて絶対言えない。うまくかわさないといけない。「なんで、あの子が前で、うちの子が後ろなんですか?」などという、質問というよりは、親の身勝手な苦情にも対処しなきゃいけない。
監督・コーチというものは、かなり人ができてないとできないものだと改めて思った。
「酒」
続きを読みたい方・おもしろかったと思っていただいた方は、
下のバナーをクリックしてください。
「酒」
結構チームも強くなり、優勝だの、準優勝だの、その都度、子供たちと一緒に祝賀会らしきものをやった。
いつも俺たち下の学年も「助っ人」に行ったということで招集された。隅っこの方で下の学年の連中は、半分迷惑、半分その試合に参加できたよろこびを語りながら飲んでいる。
すると、向こうの方でだんだん声がでかくなってくる。
これもいつものことだった。おやじコーチAは、酒に弱いのだ。すぐ、真っ赤っかな顔をして、やめておけばいいのに飲む。すると大声になる。本人は悪気はないのだろうが、その威圧的な声でサッカー論を語るのだ。
そして彼のサッカー論は、常に、相手チームは悪いという話に進んでいく。「あのチーム、ふざけてるよね…監督、どう思います?」と、そして監督に酒を注ぐ、監督も酒を注ぐ、すると彼は、また飲んでしまう。また、サッカー論を語ってしまう。
しかし、「相手チームけなし」の彼のテーマは、かなり的をえていて、周りから「そうよ、そうよ」、「そのとおり」などと、相づちが入ってしまうほど人気が高かった。さすが、ビジネスマンA、酔っていてもクライアントの心はつかむ。
でかい声なら自衛官のBさんだろうと思っていたら、Bさんはいたっておとなしく飲むのだ。それもやたら飲む。ビールと同じぐらい日本酒をぐいぐいやってしまう。
彼は、「僕はスタッフだから」という意識か、コーチの隣の席を必ず取る。
そして親たちの話に、スタッフとして答えている。試合の予定や過去の経過など監督・コーチが彼に聞くほど詳しくなっていた。
さすが、「努力は決して裏切らない」を身上に生きてきた人だけあると、俺も感心した。
そして初参加のおやじオーナーCは、ニコニコしながら、伊豆のヨットの話や、ベンツの話や別荘の話をしていた。
だが、飲むほどに表情が変わっていった。いつもはニコニコしているいいおじさんに見えたのだが、やはり酒は人を変える。いや、本性が出ると言った方がいいのかもしれない。
彼の言葉に「俺が…」という言葉が1行に3回ぐらい出てくるようになっていた。「俺が…やってやった」「俺が…してやった」「俺が…寄附してやった」…なるほどと思った。
3人を含め、チームの親は監督・コーチと話をしたがるのが、この場の常なのだ。
だが、監督・コーチは大変だ。「なんで、あのとき点が入っちゃったですかね」なんて親に言われて、酔っているとはいえ、「お前のバカ息子があんなところで、余計なドリブルするから、あんなことになるんじゃないかよ」なんて絶対言えない。うまくかわさないといけない。「なんで、あの子が前で、うちの子が後ろなんですか?」などという、質問というよりは、親の身勝手な苦情にも対処しなきゃいけない。
監督・コーチというものは、かなり人ができてないとできないものだと改めて思った。
「酒」
下のバナーをクリックしてください。








