■フルートの音に乗って
かつて、俺が卒業した高校、年に1回か2回だったと思うが、文化活動の一環らしく、受験生の3年生は除いて1年生と2年生は、何かの催しに参加させられた。
たしか1年生のときは、大きな市の文化会館を借り切って、そこに何とかという女性バイオリニストを招いて、なんか日本で一番有名なおばさんなんて言っていたけど、ほら有名なバイオリがあるじゃない何千万円もするような、あれを持ってきての独奏会だった。
俺は、生まれて初めてクラシックというものを生で聞いて、やけに感動した覚えがある。これが芸術なんだって、そこまでは思わなかったが、レコードとは違うと感じた。俺の芸術的センスなど、その程度のものであった。
翌年は、フルートとクラシックギターの演奏会だった。先にクラシックギターの演奏があって、生徒たちは、皆、結構感動した。ギターで太鼓の音を鳴らしましょうなんて、いろんな裏技?を教えてくれるものだから、みんな乗ってきて、さらにあのころは、フォーク全盛のころで、青春とはギターを抱えて歌うことだった。つまり「神田川」の時代だったのだ。
そして、次にフルートの人の演奏が始まった。美しい音色、ゆったり流れる時間…もうわかるだろう、みんな寝てしまった。すやすや〜って。もちろん、俺もすやすやと眠りについた。すると「くすくす…くすくす」という変な笑いにふと目が覚めた。
見ると、なんと紙飛行機が2階席からふわ〜り、ふわ〜りとホールの空調の風に乗って、少しずつ少しずつ演奏者の方に飛んでいた。
生徒たち全員の視線は、その紙飛行機一点に釘付け、演奏者の目も紙飛行機に向いているではないか。飛行機見ながらフルートを吹いている。
そして紙飛行機は、ゆったりふわっと、無事ステージの真ん中に止まった。
その演奏者、結構、有名な人だと思ったが、自分の演奏が終わってから、すたすたと紙飛行機を取りに行き、マイクに向かった。
まずいよな〜2階席は1年生だよ。もう一年坊主はまだまだガキだな〜なんて思っていた。
フルートの大先生は言った。「無事着陸ですね」と
それ聞いて、会場は割れんばかりの拍手喝采。
その拍手に気をよくしたのか、大先生「紙飛行機に助けられました、ありがとう」
するとまたまた、高校生のガキが悪のりして、「アンコール・アンコール」なんてやりだす始末。もう拍手とアンコールの大合唱
いやいや、それには参ったようで、大先生「じゃあ、眠気吹っ飛ぶようなリズムのあるのをやりましょう」と一曲アンコールにこたえてくれた。
さすが、秀でている人は太っ腹だった
ああ、ジンギスカンが食いたい。。。
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かつて、俺が卒業した高校、年に1回か2回だったと思うが、文化活動の一環らしく、受験生の3年生は除いて1年生と2年生は、何かの催しに参加させられた。
たしか1年生のときは、大きな市の文化会館を借り切って、そこに何とかという女性バイオリニストを招いて、なんか日本で一番有名なおばさんなんて言っていたけど、ほら有名なバイオリがあるじゃない何千万円もするような、あれを持ってきての独奏会だった。
俺は、生まれて初めてクラシックというものを生で聞いて、やけに感動した覚えがある。これが芸術なんだって、そこまでは思わなかったが、レコードとは違うと感じた。俺の芸術的センスなど、その程度のものであった。
翌年は、フルートとクラシックギターの演奏会だった。先にクラシックギターの演奏があって、生徒たちは、皆、結構感動した。ギターで太鼓の音を鳴らしましょうなんて、いろんな裏技?を教えてくれるものだから、みんな乗ってきて、さらにあのころは、フォーク全盛のころで、青春とはギターを抱えて歌うことだった。つまり「神田川」の時代だったのだ。
そして、次にフルートの人の演奏が始まった。美しい音色、ゆったり流れる時間…もうわかるだろう、みんな寝てしまった。すやすや〜って。もちろん、俺もすやすやと眠りについた。すると「くすくす…くすくす」という変な笑いにふと目が覚めた。
見ると、なんと紙飛行機が2階席からふわ〜り、ふわ〜りとホールの空調の風に乗って、少しずつ少しずつ演奏者の方に飛んでいた。
生徒たち全員の視線は、その紙飛行機一点に釘付け、演奏者の目も紙飛行機に向いているではないか。飛行機見ながらフルートを吹いている。
そして紙飛行機は、ゆったりふわっと、無事ステージの真ん中に止まった。
その演奏者、結構、有名な人だと思ったが、自分の演奏が終わってから、すたすたと紙飛行機を取りに行き、マイクに向かった。
まずいよな〜2階席は1年生だよ。もう一年坊主はまだまだガキだな〜なんて思っていた。
フルートの大先生は言った。「無事着陸ですね」と
それ聞いて、会場は割れんばかりの拍手喝采。
その拍手に気をよくしたのか、大先生「紙飛行機に助けられました、ありがとう」
するとまたまた、高校生のガキが悪のりして、「アンコール・アンコール」なんてやりだす始末。もう拍手とアンコールの大合唱
いやいや、それには参ったようで、大先生「じゃあ、眠気吹っ飛ぶようなリズムのあるのをやりましょう」と一曲アンコールにこたえてくれた。
さすが、秀でている人は太っ腹だった
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