■第10話 手にした1枚の切符
あの「レギュラー陣と補欠組との現実」をまざまざと突きつけられた、あの懇親会の席上
監督が、ナオトたちの新しいAチームの親たちに対して「今年は余り期待しないでいただきたい」と言った。
昨年は、すごい選手がたまたまそろい、そのうち一人は後に市立船橋高校にサッカーで入ったほどだ。こんな田舎のチームではもう全県で知らないものがいないくらいの選手だった。
まあ、それと比べればみんな小粒だからしようがない。俺もそう思っていた。
しかし、このチーム、見ていて冷や冷やするような試合ながら、何とか1点を守り切る、そんな試合を積み重ねて着実に強くなっていった。
月日とともに、このチームは「得点を重ねるチーム」から、ほとんど失点のない「守りのチーム」と変貌しつつあった。
これは幼いころから周りの子供より成長も早く、身体能力の高い少数の子供たちが、一人でがんがん点を取れるようなサッカーのレベルから、他のチームの子供たちも体が成長し、さらに組織的な守備を学んだ結果、かつての「早熟スター選手」たちが、どんどん周りに追いつかれてきたということだった。
奴らは、勝つことの喜びを知りだした。

勝つたびに飛び上がって喜び、満面の笑みを浮かべ、自信に満ちた顔で、我々親の方に帰ってきた。そんな試合を見るのが本当に楽しかった。
県内の大きな大会にも出場し、優勝こそなかったもののトロフィーや賞状はもらって帰れるようになっていった。
そして、ついに大方の予想を覆し、地区リーグ戦を征し、トップに躍り出た。
それは、県内トップチームだけが集まる「オールスター戦」出場の切符を手に入れたことを意味していた。
つづく
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あの「レギュラー陣と補欠組との現実」をまざまざと突きつけられた、あの懇親会の席上
監督が、ナオトたちの新しいAチームの親たちに対して「今年は余り期待しないでいただきたい」と言った。
昨年は、すごい選手がたまたまそろい、そのうち一人は後に市立船橋高校にサッカーで入ったほどだ。こんな田舎のチームではもう全県で知らないものがいないくらいの選手だった。
まあ、それと比べればみんな小粒だからしようがない。俺もそう思っていた。
しかし、このチーム、見ていて冷や冷やするような試合ながら、何とか1点を守り切る、そんな試合を積み重ねて着実に強くなっていった。
月日とともに、このチームは「得点を重ねるチーム」から、ほとんど失点のない「守りのチーム」と変貌しつつあった。
これは幼いころから周りの子供より成長も早く、身体能力の高い少数の子供たちが、一人でがんがん点を取れるようなサッカーのレベルから、他のチームの子供たちも体が成長し、さらに組織的な守備を学んだ結果、かつての「早熟スター選手」たちが、どんどん周りに追いつかれてきたということだった。
奴らは、勝つことの喜びを知りだした。

勝つたびに飛び上がって喜び、満面の笑みを浮かべ、自信に満ちた顔で、我々親の方に帰ってきた。そんな試合を見るのが本当に楽しかった。
県内の大きな大会にも出場し、優勝こそなかったもののトロフィーや賞状はもらって帰れるようになっていった。
そして、ついに大方の予想を覆し、地区リーグ戦を征し、トップに躍り出た。
それは、県内トップチームだけが集まる「オールスター戦」出場の切符を手に入れたことを意味していた。
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