■第11話 オールスター戦「出場」
ナオトのAチームは、地区リーグ戦を制覇した!
そして手に入れた「オールスター戦」出場の切符
このチームとしては最後の試合がオールスター戦だ。県内各地区のリーグ戦で優勝・準優勝チームだけが招待される「オールスター戦」
不思議なことに実は、あまり知られていない小さな会場で、ひっそりと行われるという。
冬近い晩秋の頃
その日は来た。
地図にも載っていないような、小さなグラウンドが会場だった。なるほど、コーチの言っていたとおりだ。集まるチームは、常連ぞろい。いつも強い奴らばっかり…。
そして対戦相手は「神坂」
「神坂」、このチームを知らない者はいない。
鉄壁の守りと、体にたたき込まれた基本をもとに繰り出すフォーメーションのチーム、そこに今年は新たなスター選手がいた。その名は「津島」、県代表のキャプテン、これが小学生か、そう思ってしまうほどガッチリした体格と太い足、低い重心、みんなこいつにやられた。
かつて、ナオトのチームは彼らと2度対戦した。2度とも惜しくも負けた。しかし、成長著しい我がチーム、ひょっとして今度は雪辱を…そう期待をしながら、寒いグラウンドの横で試合を見守っていた。
試合前、監督が選手たちを集め作戦会議をしていた。さて、どんな秘策が…監督は、我がチーム一番の「気合いと勝ち気の男」リキに向かって言った。
「津島は、お前が押さえてみろ」
リキの顔が紅潮しているのがわかった。闘志の男、リキ、頼んだぞ。
そして両チーム拍手に送られピッチに、円陣を組み、大きなかけ声とともに、各ポジションに散った。
「ピィ〜」主審が時計を見ながらホイッスルを吹いた。
試合は我がチームのキックオフで始まった。センターハーフが、ボールを一端下げた。一気にトップスピードで走り出す。ボランチのリキがすっと上がり、右ハーフのキャンプで岩本にボールを出す。
キャプテン岩本の運動能力、これもまたすばらしかった。速かった。そこにねらいすましたように、リキが出したパスが飛んでいく。練習どおりの動き…。
「オッ決まるかぁ〜」隣のおやじがボソッと言った。
岩本、すばやいトラップからゆっくりしたドリブルに、ディフェンスがさっと寄ってくる、その瞬間、ドリブル突破と見せかけ、前方のスペースにぽんとボールを出した。
岩本が最も得意とする技だ。素早い動きで、前を走るのディフェンスを抜き去り、みずからボールを取ってしまう。ずば抜けた走力の岩本にしかできない技だった。
そして、いつものように岩本はボールを前方に蹴り出した。
「おっ、決まった…」そう思った。それほど威力があった。
驚いてボールを追いかけようと敵ディフェンスが振り返った瞬間、岩本はその横をあっさりすり抜けた。そして岩本、ボール目がけて全力疾走、再び、ボールを取れば、いつものパターンにはまる。
オフェンス陣は、いつもの体系で一気に上がる。バックラインもスィーパードカの指示でぐっと上がる。
「いけ〜」と監督の激が飛んだ!
つづく
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ナオトのAチームは、地区リーグ戦を制覇した!
そして手に入れた「オールスター戦」出場の切符
このチームとしては最後の試合がオールスター戦だ。県内各地区のリーグ戦で優勝・準優勝チームだけが招待される「オールスター戦」
不思議なことに実は、あまり知られていない小さな会場で、ひっそりと行われるという。
冬近い晩秋の頃
その日は来た。
地図にも載っていないような、小さなグラウンドが会場だった。なるほど、コーチの言っていたとおりだ。集まるチームは、常連ぞろい。いつも強い奴らばっかり…。
そして対戦相手は「神坂」
「神坂」、このチームを知らない者はいない。
鉄壁の守りと、体にたたき込まれた基本をもとに繰り出すフォーメーションのチーム、そこに今年は新たなスター選手がいた。その名は「津島」、県代表のキャプテン、これが小学生か、そう思ってしまうほどガッチリした体格と太い足、低い重心、みんなこいつにやられた。
かつて、ナオトのチームは彼らと2度対戦した。2度とも惜しくも負けた。しかし、成長著しい我がチーム、ひょっとして今度は雪辱を…そう期待をしながら、寒いグラウンドの横で試合を見守っていた。
試合前、監督が選手たちを集め作戦会議をしていた。さて、どんな秘策が…監督は、我がチーム一番の「気合いと勝ち気の男」リキに向かって言った。
「津島は、お前が押さえてみろ」
リキの顔が紅潮しているのがわかった。闘志の男、リキ、頼んだぞ。
そして両チーム拍手に送られピッチに、円陣を組み、大きなかけ声とともに、各ポジションに散った。
「ピィ〜」主審が時計を見ながらホイッスルを吹いた。
試合は我がチームのキックオフで始まった。センターハーフが、ボールを一端下げた。一気にトップスピードで走り出す。ボランチのリキがすっと上がり、右ハーフのキャンプで岩本にボールを出す。
キャプテン岩本の運動能力、これもまたすばらしかった。速かった。そこにねらいすましたように、リキが出したパスが飛んでいく。練習どおりの動き…。
「オッ決まるかぁ〜」隣のおやじがボソッと言った。
岩本、すばやいトラップからゆっくりしたドリブルに、ディフェンスがさっと寄ってくる、その瞬間、ドリブル突破と見せかけ、前方のスペースにぽんとボールを出した。
岩本が最も得意とする技だ。素早い動きで、前を走るのディフェンスを抜き去り、みずからボールを取ってしまう。ずば抜けた走力の岩本にしかできない技だった。
そして、いつものように岩本はボールを前方に蹴り出した。
「おっ、決まった…」そう思った。それほど威力があった。
驚いてボールを追いかけようと敵ディフェンスが振り返った瞬間、岩本はその横をあっさりすり抜けた。そして岩本、ボール目がけて全力疾走、再び、ボールを取れば、いつものパターンにはまる。
オフェンス陣は、いつもの体系で一気に上がる。バックラインもスィーパードカの指示でぐっと上がる。
「いけ〜」と監督の激が飛んだ!
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