■第14話 オールスター戦「津島」
1点先取された、我がチーム、全員で、大きな声をかけ合い、士気を鼓舞する。
主審のホイッスルとともに、試合再開!
一旦、ボールをボランチの位置まで下げる、両サイドが全力疾走する。リキがエース岩本にパスを出す。練習どおりに、再び正確に繰りかえされる。
岩本に、ボールが渡る。岩本、ドリブル開始
しかし、もう敵ディフェンスは岩本と距離を取って寄ってこない。
しかし、さすが我がエース岩本、来ないと判断するや、すかさず、みずからドリブルでサイドを駆け上がる。センターハーフが、岩本を追う、逆サイドも既に走っている。
岩本、ディフェンスと並列にドリブル突破を図る、肩と肩がぶつかり合い、サイドラインに押し出されてそうになりながらも、バックパス、それを待ちかまえていたリキ、ボールを受けるや、そのまま中央突破を図る。
パワーの男、リキ、技の切れはそれほどではないが、大ナタを振り下ろすようなその力業。相手を無理やりどけさせながらドリブル突破、相手ディフェンスはリキに引きずられ、ずるずると中央に集まる…サイドが空いた
我がディフェンスラインもぐっと上がり、スィーパーのドカを除いて、全員攻撃態勢に、奴らの表情が変わっていく
味方ハーフ、ジョーが、リキに声をかけ、フリーのスペースに走った。
そのとき、何を思ったのか、リキ無理やりシュート
…ボールは、ゴールのはるか上を飛んでいってしまった。
「ジョーが走ってじゃねえかよ!」監督の怒鳴り声が響いた。
明らかに無謀なシュートだった。
我がチーム、何とかボールを前に出しては、はじき返され、じりじりと返される展開…
しかし、守備陣の頑張りで押されながらも何とか前半を終えた。
神坂はやはり強い…周りのだれもが肌で感じていた。
・・・ハーフタイム・・・
後半戦、主審がホイッスルを吹いた。
神坂のセンターハーフが、チョンと蹴ったボールを一旦ほんの少しだけ戻す、よく見る光景だ。
しかし、なんと…そこからドリブルで持って上がりだした。味方ハーフ陣は、阻止しようとワッと前に出る。そこにできた中間のスペースにパスが出た。
そして、そこにいたのは津島だった。
津島のマーク、リキが一歩遅れた。津島、ゴールを背にしながらパスを受け、横を走り抜ける味方にトンと短いパス。
津島は、パスを受けたハーフがマークを1人抜き去り、ドリブルで左サイドを上がるのを、ボクサーがリング上でやる、あのジョギングのようなしぐさで待っている。
そして一気に走り出した。逆サイドも上がってきた。
味方ディフェンスも、ドカの指示で一人ずつマークに張りつく、左サイドからのセンタリング態勢に入られてしまった。
「きっと、ここで津島が走り込む」リキは、津島に自分の体を預けるような厳しいブロック、
「ここで津島は走り込む、ここで津島は走る…それを止めてやる」リキの強い意思がこちらまで伝わってくるようだった。
駆け上がった敵ハーフ、しかし、味方左バックが踏ん張った。完全に振り切ることができない不安定な状態で敵ハーフはボールを蹴った。
ボールは、予想に反し、ボランチの位置までに戻され、そのまま…真っすぐ津島にパス、津島、再びゴールを背にしてボールを受ける。
リキ、津島を体で押す、押す、押す、さすがの津島もたまらず、ゴールに向けない。敵フォアード陣がそれを見て、津島の横を走り抜ける。津島からのパスか…警戒した瞬間だった。
津島の腰が一瞬下がった、しゃがむような格好で、体を回転、シュート…
津島のサイドを走り込むオフェンスに気を取られ、津島の後ろはリキだけだった。
ボールは、一歩も動けなかったキーパーの足をすり抜けゴール左に入った。
「リキッ!」監督の怒鳴り声が聞こえた。呆然とする俺たち…
そして、またあのボクサーのジョギングのような仕草をしながら、味方の祝福を受ける津島
敵応援団からヒュヒュ〜という口笛が鳴り響いた。
何も言わずに、ぶ然とボールを投げる味方キーパー、下を向いたリキ
後半開始…わずか1分の出来事だった
0対2
つづく
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1点先取された、我がチーム、全員で、大きな声をかけ合い、士気を鼓舞する。
主審のホイッスルとともに、試合再開!
一旦、ボールをボランチの位置まで下げる、両サイドが全力疾走する。リキがエース岩本にパスを出す。練習どおりに、再び正確に繰りかえされる。
岩本に、ボールが渡る。岩本、ドリブル開始
しかし、もう敵ディフェンスは岩本と距離を取って寄ってこない。
しかし、さすが我がエース岩本、来ないと判断するや、すかさず、みずからドリブルでサイドを駆け上がる。センターハーフが、岩本を追う、逆サイドも既に走っている。
岩本、ディフェンスと並列にドリブル突破を図る、肩と肩がぶつかり合い、サイドラインに押し出されてそうになりながらも、バックパス、それを待ちかまえていたリキ、ボールを受けるや、そのまま中央突破を図る。
パワーの男、リキ、技の切れはそれほどではないが、大ナタを振り下ろすようなその力業。相手を無理やりどけさせながらドリブル突破、相手ディフェンスはリキに引きずられ、ずるずると中央に集まる…サイドが空いた
我がディフェンスラインもぐっと上がり、スィーパーのドカを除いて、全員攻撃態勢に、奴らの表情が変わっていく
味方ハーフ、ジョーが、リキに声をかけ、フリーのスペースに走った。
そのとき、何を思ったのか、リキ無理やりシュート
…ボールは、ゴールのはるか上を飛んでいってしまった。
「ジョーが走ってじゃねえかよ!」監督の怒鳴り声が響いた。
明らかに無謀なシュートだった。
我がチーム、何とかボールを前に出しては、はじき返され、じりじりと返される展開…
しかし、守備陣の頑張りで押されながらも何とか前半を終えた。
神坂はやはり強い…周りのだれもが肌で感じていた。
後半戦、主審がホイッスルを吹いた。
神坂のセンターハーフが、チョンと蹴ったボールを一旦ほんの少しだけ戻す、よく見る光景だ。
しかし、なんと…そこからドリブルで持って上がりだした。味方ハーフ陣は、阻止しようとワッと前に出る。そこにできた中間のスペースにパスが出た。
そして、そこにいたのは津島だった。
津島のマーク、リキが一歩遅れた。津島、ゴールを背にしながらパスを受け、横を走り抜ける味方にトンと短いパス。
津島は、パスを受けたハーフがマークを1人抜き去り、ドリブルで左サイドを上がるのを、ボクサーがリング上でやる、あのジョギングのようなしぐさで待っている。
そして一気に走り出した。逆サイドも上がってきた。
味方ディフェンスも、ドカの指示で一人ずつマークに張りつく、左サイドからのセンタリング態勢に入られてしまった。
「きっと、ここで津島が走り込む」リキは、津島に自分の体を預けるような厳しいブロック、
「ここで津島は走り込む、ここで津島は走る…それを止めてやる」リキの強い意思がこちらまで伝わってくるようだった。
駆け上がった敵ハーフ、しかし、味方左バックが踏ん張った。完全に振り切ることができない不安定な状態で敵ハーフはボールを蹴った。
ボールは、予想に反し、ボランチの位置までに戻され、そのまま…真っすぐ津島にパス、津島、再びゴールを背にしてボールを受ける。
リキ、津島を体で押す、押す、押す、さすがの津島もたまらず、ゴールに向けない。敵フォアード陣がそれを見て、津島の横を走り抜ける。津島からのパスか…警戒した瞬間だった。
津島の腰が一瞬下がった、しゃがむような格好で、体を回転、シュート…
津島のサイドを走り込むオフェンスに気を取られ、津島の後ろはリキだけだった。
ボールは、一歩も動けなかったキーパーの足をすり抜けゴール左に入った。
「リキッ!」監督の怒鳴り声が聞こえた。呆然とする俺たち…
そして、またあのボクサーのジョギングのような仕草をしながら、味方の祝福を受ける津島
敵応援団からヒュヒュ〜という口笛が鳴り響いた。
何も言わずに、ぶ然とボールを投げる味方キーパー、下を向いたリキ
後半開始…わずか1分の出来事だった
0対2
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