■おやじ出陣
長男ナオトがサッカーチームに入ったのは、まだ小学校の4年生だったが、既に小学校低学年からチームに入っている子たちでほとんど主要メンバーは固まっているような状態だった。
長男もその中に溶け込むには、子供なりにも苦労はあったのだろう。
長男は、サッカーがおもしろかったのか、それとも負けず嫌いの性格なのか、意地なのかよくわからないが、ひとりで練習していた。
まだ、そのとき俺は全くかかわりを持たなかった。
いや、持たなくてよかったわけだ。
冬が過ぎた、あるとき…女房が1枚の「おたより」を俺に見せた。クラブチームの監督が出しているサッカー通信なるものだった。子供たち一人一人のことを書いてあった。
その中に長男ことも、下の方に書かれていた。
「この冬 一番伸びた。努力の成果だ。」
みたいなことが書いてあった。
少しうれしかった。
そして春、長男は5年生になった。
シーズン到来だ。
6年生はAチーム、5年生はBチームという区分けになっているようだった。そして試合の日程が書いてある例の「おたより」が来た。女房に執ように誘われ、ついに、ある日曜日、俺としては初めて少年サッカーの試合を見に行った。
長男は補欠だった。当然と言えば当然のことだ。だが、よく知らなかったのだが、意外にも強いチームに入ったようで、がんがん勝ってしまうのだ。
すると、ある試合の後半、もう勝ちが決定したとき、長男はやっと試合に出してもらえた。
奴は一生懸命だった。とにかく一生懸命だった。真っ赤な顔をして頑張っている姿に…なんだか、ジーンときてしまった。
「またまた…」なんて笑うかもしれないが、自分が子供のころスポーツをしてきた親、そして体が小さいために苦労した親には理解できるはずだ。
しかし、奴の守りも攻めもめちゃくちゃだった。
ボールと相手と自分、そしてゴールの位置関係がわかっていない。そんな基本的なことすら、何も教えてもらっていないようだった。
にわかに、むくむくと何かが目覚めてくるのが自分でもわかった。
こいつをレギュラーにしてやりたい!
そして、おやじは少年サッカーの波に自ら飛び込むことになるのだった。
<少年サッカー編>
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長男ナオトがサッカーチームに入ったのは、まだ小学校の4年生だったが、既に小学校低学年からチームに入っている子たちでほとんど主要メンバーは固まっているような状態だった。
長男もその中に溶け込むには、子供なりにも苦労はあったのだろう。
長男は、サッカーがおもしろかったのか、それとも負けず嫌いの性格なのか、意地なのかよくわからないが、ひとりで練習していた。
まだ、そのとき俺は全くかかわりを持たなかった。
いや、持たなくてよかったわけだ。
冬が過ぎた、あるとき…女房が1枚の「おたより」を俺に見せた。クラブチームの監督が出しているサッカー通信なるものだった。子供たち一人一人のことを書いてあった。
その中に長男ことも、下の方に書かれていた。
「この冬 一番伸びた。努力の成果だ。」
みたいなことが書いてあった。
少しうれしかった。
そして春、長男は5年生になった。
シーズン到来だ。
6年生はAチーム、5年生はBチームという区分けになっているようだった。そして試合の日程が書いてある例の「おたより」が来た。女房に執ように誘われ、ついに、ある日曜日、俺としては初めて少年サッカーの試合を見に行った。
長男は補欠だった。当然と言えば当然のことだ。だが、よく知らなかったのだが、意外にも強いチームに入ったようで、がんがん勝ってしまうのだ。
すると、ある試合の後半、もう勝ちが決定したとき、長男はやっと試合に出してもらえた。
奴は一生懸命だった。とにかく一生懸命だった。真っ赤な顔をして頑張っている姿に…なんだか、ジーンときてしまった。
「またまた…」なんて笑うかもしれないが、自分が子供のころスポーツをしてきた親、そして体が小さいために苦労した親には理解できるはずだ。
しかし、奴の守りも攻めもめちゃくちゃだった。
ボールと相手と自分、そしてゴールの位置関係がわかっていない。そんな基本的なことすら、何も教えてもらっていないようだった。
にわかに、むくむくと何かが目覚めてくるのが自分でもわかった。
そして、おやじは少年サッカーの波に自ら飛び込むことになるのだった。
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