「養○酒」
俺は腸が弱い「腸弱人間」だということを以前に書いた。
だが、腸だけ弱い人間というのは、あまり聞いたことがない。大体が「胃腸が弱い」というように、セットになっていることが多い。俺も御多分に漏れず、胃も弱かった。なので正確には「胃腸弱人間」だ。
「胃腸弱人間」は、当然だがやせ形の体型が多い。
ダイエットなどで苦しんでおられる方からは、「いいわねぇ〜」などと、よく言われたものだ。
なので女性にモテるためにわざわざ痩せようなどと思ったこともなかった。それだけでも俺の人生のストレスはかなり軽減されているはずだ。この胃腸弱にすこしばかり感謝するべきなのだろう。
しかし、この「胃弱」を何とかしようと思ったことがあった。それは若い頃、会社の昼休みに、そんな胃弱の話題になっていた。
するとある先輩が
「養○酒飲んだらどう?テレビで宣伝しているじゃない」
「あれは、おっさんの飲むもんでしょう」と俺が言って笑っていると
ちょっと離れた席からふとこっちを向いて「ハシモト、あれは効くぞ」とある上司が言ってくれた。
周りの連中も、人の話を聞いていないふりしてみんなちゃんと聞いているんだなと思った。
「人の話をちゃんと聞いている」で思い出したが、こんな話がある。日本人というのは、「自分で見てはいけない、聞いてはいけない」を制御できる珍しい人種だということだ。
欧米の社会では、厚いコンクリートや石の壁で物理的に完全に「聞こえないようにする」しかし、紙と木でできた日本の家では物理的に聞こえないようにするのは不可能だ。そこでいつしか、そんな技を持ったということだ。
つまり、ふすま一つ向こうで、「いい事」やっていようが、障子の影に「おっ!スゲー」という影が映っていても、それは見えていないし、聞こえいないという暗黙の了解が成立している社会ということだ。なるほどと思った。
犬なんか、「ポチ〜」なんて呼ぶと、平気で障子をぶち破って飛んでくる。だって、紙だもんね。それを日本人というのは壁にたとえて生きているらしい。
柄にもなく、すごく文化的な話をしてしまった。
さて、話を戻そう。そしてその上司わざわざこっちの席まで来て、俺の前に座り
「どこが痛い」と聞く
「胃の上のところ」
「ははぁ〜やっとハシモトもサラリーマンらしくなってきたな」と上司
「はぁ、スズキさんもそうなんですか?」と聞くと
「それがこうじてくると、ど〜んとした傷みが背中の方に回ってくるんだよ、そこまで来ると一人前だ」とやけに自慢げに言う
結局、自分は、養○酒を飲んで、以前より、その「ど〜んとした傷み」がかなりよくなったという話だった。

そういえば、俺の親父も「養○酒」を飲んでいたことを思い出した。思い立ったが何とかで、会社の帰りに、薬局に行って買ってきた。安いものではないな〜という印象だった。そしてその夜から毎日、朝晩、付属の小さなコップに1杯飲んだ。
そして数日後、俺は、自分の体をいたわる姿は社会人として「偉い」と思ったんだね。黙っていれば、いいものを、また会社でその話をした。うれしそうに…
「僕なんか養○酒ですよ!」と
そして数日後、ある女性社員2人が通りがかりに俺に言った。
A子ちゃん「ハシモトさん、ウィスキーやめて養○酒にしたって聞いたわよ」
B女史「一晩で1本あけるって…。あれ、そんなにおいしいの?」と笑って行ってしまった。
変な噂のためかどうか忘れてしまったが、俺は数カ月飲み続けた養○酒をやめてしまった。
あのときちゃんと飲み続けていたら、ひょっとして「胃腸弱人間」から脱出できたかもしれない。
ダイエット不要の「胃腸弱人間」…喜んでいられるのは、20代までだった。
不思議なことに年齢とともに「やせ型人間」から「腹だけ出てくるやせ型人間」に変身していくのだ。
これは…醜い
養○酒、飲んでおけばよかった。
では、また
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俺は腸が弱い「腸弱人間」だということを以前に書いた。
だが、腸だけ弱い人間というのは、あまり聞いたことがない。大体が「胃腸が弱い」というように、セットになっていることが多い。俺も御多分に漏れず、胃も弱かった。なので正確には「胃腸弱人間」だ。
「胃腸弱人間」は、当然だがやせ形の体型が多い。
ダイエットなどで苦しんでおられる方からは、「いいわねぇ〜」などと、よく言われたものだ。
なので女性にモテるためにわざわざ痩せようなどと思ったこともなかった。それだけでも俺の人生のストレスはかなり軽減されているはずだ。この胃腸弱にすこしばかり感謝するべきなのだろう。
しかし、この「胃弱」を何とかしようと思ったことがあった。それは若い頃、会社の昼休みに、そんな胃弱の話題になっていた。
するとある先輩が
「養○酒飲んだらどう?テレビで宣伝しているじゃない」
「あれは、おっさんの飲むもんでしょう」と俺が言って笑っていると
ちょっと離れた席からふとこっちを向いて「ハシモト、あれは効くぞ」とある上司が言ってくれた。
周りの連中も、人の話を聞いていないふりしてみんなちゃんと聞いているんだなと思った。
「人の話をちゃんと聞いている」で思い出したが、こんな話がある。日本人というのは、「自分で見てはいけない、聞いてはいけない」を制御できる珍しい人種だということだ。
欧米の社会では、厚いコンクリートや石の壁で物理的に完全に「聞こえないようにする」しかし、紙と木でできた日本の家では物理的に聞こえないようにするのは不可能だ。そこでいつしか、そんな技を持ったということだ。
つまり、ふすま一つ向こうで、「いい事」やっていようが、障子の影に「おっ!スゲー」という影が映っていても、それは見えていないし、聞こえいないという暗黙の了解が成立している社会ということだ。なるほどと思った。
犬なんか、「ポチ〜」なんて呼ぶと、平気で障子をぶち破って飛んでくる。だって、紙だもんね。それを日本人というのは壁にたとえて生きているらしい。
柄にもなく、すごく文化的な話をしてしまった。
さて、話を戻そう。そしてその上司わざわざこっちの席まで来て、俺の前に座り
「どこが痛い」と聞く
「胃の上のところ」
「ははぁ〜やっとハシモトもサラリーマンらしくなってきたな」と上司
「はぁ、スズキさんもそうなんですか?」と聞くと
「それがこうじてくると、ど〜んとした傷みが背中の方に回ってくるんだよ、そこまで来ると一人前だ」とやけに自慢げに言う
結局、自分は、養○酒を飲んで、以前より、その「ど〜んとした傷み」がかなりよくなったという話だった。

そういえば、俺の親父も「養○酒」を飲んでいたことを思い出した。思い立ったが何とかで、会社の帰りに、薬局に行って買ってきた。安いものではないな〜という印象だった。そしてその夜から毎日、朝晩、付属の小さなコップに1杯飲んだ。
そして数日後、俺は、自分の体をいたわる姿は社会人として「偉い」と思ったんだね。黙っていれば、いいものを、また会社でその話をした。うれしそうに…
「僕なんか養○酒ですよ!」と
そして数日後、ある女性社員2人が通りがかりに俺に言った。
A子ちゃん「ハシモトさん、ウィスキーやめて養○酒にしたって聞いたわよ」
B女史「一晩で1本あけるって…。あれ、そんなにおいしいの?」と笑って行ってしまった。
変な噂のためかどうか忘れてしまったが、俺は数カ月飲み続けた養○酒をやめてしまった。
あのときちゃんと飲み続けていたら、ひょっとして「胃腸弱人間」から脱出できたかもしれない。
ダイエット不要の「胃腸弱人間」…喜んでいられるのは、20代までだった。
不思議なことに年齢とともに「やせ型人間」から「腹だけ出てくるやせ型人間」に変身していくのだ。
これは…醜い
養○酒、飲んでおけばよかった。
では、また
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