■もう一つの8時18分 第6話「天使のいたずら」
翌朝、佐代子は念入りに身だしなみを整え、家を出た。
いつもより1本遅い列車に乗り、駅についてからも、いつもよりゆっくり歩いていた。ちらっ、ちらっと時計を見ながら。
…8時29分…
彼は来ない。周りは自分を追い越していく人ばかり、なのに彼は来ない。
…8時30分…
横断歩道についた。信号機は青が点滅していた、反射的に急いで渡った佐代子。彼の会社は信号を渡った反対側、今日は逢えなかった。
信号は黄色に変わった。佐代子は信号待ちしている彼がいることには気づかなかった。
「ねえねえ、どうだった?」と映子が受付にいる佐代子のところにわざわざ仕事をさぼってやってきた。
寂しそうなつくり笑いをしながら、首を横に振る佐代子に映子は、
「お昼一緒にね」と声をかけて戻っていった。
ビルの4階のあるカフェでランチをとっている二人
佐代子「来なかったの」
映子「どうしたんだろうね、出張かもしれないよ」
佐代子「うん…」
映子「元気出してよ、1回ぐらいでうまくいくほど、キュンは甘くない」
佐代子「そうよね、でも明日はいつもどおり来る」
映子「どうしてよ」
佐代子「だって、忙しいんだもん、ぎりぎりどころじゃなかったもん」
映子「でもさ…」
佐代子「続くとまずいことになりそうだから、明日はいつもどおりで来るよ」
映子「そう」
佐代子は、寂しかった。こんなに寂しいと感じたことはなかった。裏切られたような気もした。彼は何も悪いことしてないんだけど、でも、「どうして来てくれないのよ」って、言ってやりたい気持ちでいっぱいだった。
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翌朝、佐代子は念入りに身だしなみを整え、家を出た。
いつもより1本遅い列車に乗り、駅についてからも、いつもよりゆっくり歩いていた。ちらっ、ちらっと時計を見ながら。
…8時29分…
彼は来ない。周りは自分を追い越していく人ばかり、なのに彼は来ない。
…8時30分…
横断歩道についた。信号機は青が点滅していた、反射的に急いで渡った佐代子。彼の会社は信号を渡った反対側、今日は逢えなかった。
信号は黄色に変わった。佐代子は信号待ちしている彼がいることには気づかなかった。
「ねえねえ、どうだった?」と映子が受付にいる佐代子のところにわざわざ仕事をさぼってやってきた。
寂しそうなつくり笑いをしながら、首を横に振る佐代子に映子は、
「お昼一緒にね」と声をかけて戻っていった。
ビルの4階のあるカフェでランチをとっている二人
佐代子「来なかったの」
映子「どうしたんだろうね、出張かもしれないよ」
佐代子「うん…」
映子「元気出してよ、1回ぐらいでうまくいくほど、キュンは甘くない」
佐代子「そうよね、でも明日はいつもどおり来る」
映子「どうしてよ」
佐代子「だって、忙しいんだもん、ぎりぎりどころじゃなかったもん」
映子「でもさ…」
佐代子「続くとまずいことになりそうだから、明日はいつもどおりで来るよ」
映子「そう」
佐代子は、寂しかった。こんなに寂しいと感じたことはなかった。裏切られたような気もした。彼は何も悪いことしてないんだけど、でも、「どうして来てくれないのよ」って、言ってやりたい気持ちでいっぱいだった。
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