■もう一つの8時18分 第16話「晴れのちくもり」
佐代子は、バスタブに浸かりながら、また「休日」という言葉を思い出していた。
「そうよ、休日よ」佐代子は思った。
毎日、毎日、スーツ姿で幾ら会ったって、あんな地下道で声なんかかけられるわけないもん。だって、下手すれば、変態だと思われるかもしれないじゃない。あんな人だらけの、いっぱいぞろぞろ歩いているだけのところで、それも仕事が始まる朝だもん。
彼は、休日は何をしているの?
だって、彼がどこにいるのかさえわからないんだよ。休日っていうことになると、もっとわからないじゃない。
…まさか、ストーカーみたいなことできないよ。
丁寧にバスタオルで体を拭きながら、一瞬明るくなった心は、再びどんどん暗くなっていってしまった。
次の日
彼が、いつものように佐代子を追い越した。いつものようにチラッと見てくれた。そして信号機のところでとまっている。佐代子が追いつく前に、信号機は青になり、彼もそのまま行ってしまった。
どうしちゃったの?
今までのトキメキはどこへ行ってしまったの…。
どうして、声をかけてくれないの?
私のこと、ただ珍しい女なの?
どこが気に入らないの?言ってよ…。
だったら、なぜ、チラッと見るのよ…バカ
佐代子の足取りは重かった。昨日の飲み過ぎもあって頭も重かった。何もかも重くなっていく。
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佐代子は、バスタブに浸かりながら、また「休日」という言葉を思い出していた。
「そうよ、休日よ」佐代子は思った。
毎日、毎日、スーツ姿で幾ら会ったって、あんな地下道で声なんかかけられるわけないもん。だって、下手すれば、変態だと思われるかもしれないじゃない。あんな人だらけの、いっぱいぞろぞろ歩いているだけのところで、それも仕事が始まる朝だもん。
彼は、休日は何をしているの?
だって、彼がどこにいるのかさえわからないんだよ。休日っていうことになると、もっとわからないじゃない。
…まさか、ストーカーみたいなことできないよ。
丁寧にバスタオルで体を拭きながら、一瞬明るくなった心は、再びどんどん暗くなっていってしまった。
次の日
彼が、いつものように佐代子を追い越した。いつものようにチラッと見てくれた。そして信号機のところでとまっている。佐代子が追いつく前に、信号機は青になり、彼もそのまま行ってしまった。
どうしちゃったの?
今までのトキメキはどこへ行ってしまったの…。
どうして、声をかけてくれないの?
私のこと、ただ珍しい女なの?
どこが気に入らないの?言ってよ…。
だったら、なぜ、チラッと見るのよ…バカ
佐代子の足取りは重かった。昨日の飲み過ぎもあって頭も重かった。何もかも重くなっていく。
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