■バーテンダーかまたり「歯科大生」
学生の頃、食っていくためにバイトをした。
いろんなことをやったが、その最後の締めくくりが、バーテンダーだった。
もちろん、プロのバーテンダーから見れば、お遊びもいいところで、笑い話にもならないのかもしれないが、俺としてはいたって真面目にやった。
カウンター中心のパブがあった。そこへバイトに入った。
カウンターの中には、お姉ちゃんたちが数人いた。女子学生バイトの子たちだ。
その店はそこそこ安くて、学生や若いサラリーマンに結構人気があった。
女の子たちは、お客さんを相手にして、酒を注ぐ、俺はカウンターの中でグラスと皿洗いをしていた。
飲み屋だから、その子たちを口説きに来る客も多く、安い店にしてはなかなかかわいい子がそろっていたように思った。
その店には社会人のバイトの人がいた。プロのバーテンの経験のある人で、俺が真面目に酒の本を読んでいたりすると、教えてやろうと言い出した。それから彼が勝手に俺の師になってしまったわけだ。彼の名は富山と言う。
まずは、シェイカーの振り方、そしてメジャーなしでぴったり分量を入れる訓練、この分量の訓練は、俺がその店を辞めるまで毎日の日課になっていた。まあ、とにかくそこらのバー当たりでは食えるぐらい真面目に勉強と訓練はした。
ある日、いつものように「カラン、カラン」とドアのカウベルがなった。見ると、見覚えのない3人組の男が入ってきた。
「いらっしゃいませ」俺がお客さんに声をかけた。
3人は、ボックス席に行きかけたが、俺が、「どうぞ」と勧めると、こっちのカウンターに来てくれた。俺としても商売をしたわけだ。ボックスよりカウンターの方が酒は進むからね。
メニューを見て「ビールください」3人の中の一人が言った。
初めての店は、ビールを頼むのが無難…ほう、知っているんだ、若いのに…なんて思った。
まあ、京都の学生街のこんなパブで、ぼったくるような店は少ないから余り気にする必要はないのだが、この店が入っているビルの2階上のパブでは、よく客がドアから蹴り出されているのを見るに、彼らの慎重ぶりがちょっとかわいく思えた。
女の子を一人、そっちに回してあげた。
彼らの顔が輝いた。どう見ても新入生。
女の子との話をちらちら聞いていると、大阪から遊びに来て、ちょっと寄ってみたのだという、名の知れた歯科大の学生さんだった。なるほど…そういわれれば風体がそうだった。
きっと真面目に勉強してやっと合格したんだろうな〜そんな気持ちでいた。
そいつらとの出会いは、そんな感じだった。
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学生の頃、食っていくためにバイトをした。
いろんなことをやったが、その最後の締めくくりが、バーテンダーだった。
もちろん、プロのバーテンダーから見れば、お遊びもいいところで、笑い話にもならないのかもしれないが、俺としてはいたって真面目にやった。
カウンター中心のパブがあった。そこへバイトに入った。

カウンターの中には、お姉ちゃんたちが数人いた。女子学生バイトの子たちだ。
その店はそこそこ安くて、学生や若いサラリーマンに結構人気があった。
女の子たちは、お客さんを相手にして、酒を注ぐ、俺はカウンターの中でグラスと皿洗いをしていた。
飲み屋だから、その子たちを口説きに来る客も多く、安い店にしてはなかなかかわいい子がそろっていたように思った。
その店には社会人のバイトの人がいた。プロのバーテンの経験のある人で、俺が真面目に酒の本を読んでいたりすると、教えてやろうと言い出した。それから彼が勝手に俺の師になってしまったわけだ。彼の名は富山と言う。まずは、シェイカーの振り方、そしてメジャーなしでぴったり分量を入れる訓練、この分量の訓練は、俺がその店を辞めるまで毎日の日課になっていた。まあ、とにかくそこらのバー当たりでは食えるぐらい真面目に勉強と訓練はした。
ある日、いつものように「カラン、カラン」とドアのカウベルがなった。見ると、見覚えのない3人組の男が入ってきた。
「いらっしゃいませ」俺がお客さんに声をかけた。
3人は、ボックス席に行きかけたが、俺が、「どうぞ」と勧めると、こっちのカウンターに来てくれた。俺としても商売をしたわけだ。ボックスよりカウンターの方が酒は進むからね。
メニューを見て「ビールください」3人の中の一人が言った。
初めての店は、ビールを頼むのが無難…ほう、知っているんだ、若いのに…なんて思った。
まあ、京都の学生街のこんなパブで、ぼったくるような店は少ないから余り気にする必要はないのだが、この店が入っているビルの2階上のパブでは、よく客がドアから蹴り出されているのを見るに、彼らの慎重ぶりがちょっとかわいく思えた。
女の子を一人、そっちに回してあげた。

彼らの顔が輝いた。どう見ても新入生。
女の子との話をちらちら聞いていると、大阪から遊びに来て、ちょっと寄ってみたのだという、名の知れた歯科大の学生さんだった。なるほど…そういわれれば風体がそうだった。
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