■もう一つの8時18分 第23話「迎撃準備」
「いっけな〜い」枕元にある携帯で時間を見た佐代子は、飛び起きた。いつもより15分寝過ごしてしまった。
「彼…」とっさに頭に浮かんだのは、今日、逢える彼に逢えなくなることだった。
急いで支度をして、駅に向かった。いつもより2本遅い列車に揺られ、自己嫌悪に陥っていた。
「どうして、今日、寝過ごすかな〜バカだよね」
案の定、彼には逢えなかった。当然と言えば、当然。
「彼…ひょっとして心配してくれてるかな?」
こんな考えが浮かぶ自分がおもしろかった。
受け付けの準備をしていると、映子が飛んできた。
受け付けの手前で走るのをやめ、息を切らせながら、早足でやってくる映子に
佐代子「どうしたの?そんなに急いで」
映 子「ねえ、今日、彼に会った?」
佐代子「寝過ごしちゃって…バカでしょう」
映 子「あ、そうなんだ。ふぅ〜、いい情報なんだけど、買う?」
佐代子「何それ?」
映 子「買う?安くしておくわよ…ね」映子は、まだ息が苦しい様子だった。
佐代子「ちょちょっとこっちへ来て」
佐代子は、受け付けの後輩たちから離れるように、受け付けの裏に映子を連れていった。映子は、佐代子の両肩に手をかけて言った。
「彼、今日、うちの会社に来るよ」
佐代子「え〜ぇぇホント?」
映 子「ナレッジテクノロジーが、大きな仕事の打ち合わせに来るのよ、私、もっと早く予定表をチェックしておけばよかった。1週間も前にわかっていたのよ、ごめんね」
佐代子「ううん、いいの。それで…」
映 子「うちのハイテク部門の佐伯部長のところでね、新しいシステムの開発をナレッジに委託するみたいなのよ」
佐代子「佐伯部長…また、強力な相手ね」
映 子「それがね、佐伯部長が、ご指名らしいの、ナレッジを。それでさ、担当者にちょっと聞いてみたのよ、向こうの担当はどたなですかって、そうしたら、名刺見せてくれたさ、あったの田嶋卓って」
佐代子「一人で?」
映 子「部長さんと課長さんの二人を連れてくるみたい」
佐代子「どうしよう、知らん顔できないし…」
映 子「もう、ここは見切り発車しかないんじゃない」
佐代子「というと、彼がハンカチのことをわかってくれたってこと?」
映 子「そうよ」
佐代子「でも、上司2人と来るんだから…何もなかったような顔するでしょう、ふつう」
映 子「多分ね、それで続きは明日の朝かな」
佐代子「でも、万が一ということもあるわよね」
映 子「そうよ。だって、サヨがここの受け付けだって、気づいてないんでしょう?」
佐代子「多分ねというか、きっとわかってないと思う」
映 子「じゃあ、こっちは思いっきりアピールのチャンスだよ」
佐代子「そうよね、一応大会社の受付嬢だもんね」
映 子「一応ね…でも、あんた言うようになったわね」
佐代子「冷静な判断をしたまで…で、何時?」
映 子「午後1時30分」
佐代子「1時半か、私、午後は受け付けじゃないのよ」
映 子「こんなチャンスないよ、何とかしな」
佐代子「う〜ん、わかった動いてみるね。ありがとう」
映子は、佐代子の返事を聞いて、さっさと自分の部署に戻っていった。
佐代子は、すぐさま、今日の受け付け予定表に目を通した。
午後、午後…ユキちゃんね、サッちゃん、ヨシコね。う〜ん、名簿の名前を見て、しばらく考えていた。
ドアが開き、最初の訪問者が受け付けに来た。
佐代子は、「ちょっとごめん、よろしくね」と後輩に一言いって、裏に回ってしまった。一番、佐代子の勝手を聞いてくれそうな、サッちゃんに電話を入れた。
「受け付けの池上です。佐藤さんお願いします。」
「はい、佐藤です。先輩なんですか?」
「悪い…お願いあるんだ。」
「なんでしょう?」
「午後の受付かわってくれない、明日の午前と」
「明日の午前ですか…ちょっと待ってくださいね」
ほんの1分ほどして
「いいですよ、ちょっと予定動かしましたけど、何とかなります」
「ありがとう、サチ」と言って佐代子は電話を切った。
表に戻ってきた佐代子に、後輩が「サヨ先輩、何かあったんですか?」
「うん、ちょっとね、かわってもらったから、私午後もやるから」
「はい、わかりました」と後輩は、もう一人の後輩に伝えていた。
さ〜て、午後一番か…どうしよう
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「いっけな〜い」枕元にある携帯で時間を見た佐代子は、飛び起きた。いつもより15分寝過ごしてしまった。
「彼…」とっさに頭に浮かんだのは、今日、逢える彼に逢えなくなることだった。
急いで支度をして、駅に向かった。いつもより2本遅い列車に揺られ、自己嫌悪に陥っていた。
「どうして、今日、寝過ごすかな〜バカだよね」
案の定、彼には逢えなかった。当然と言えば、当然。
「彼…ひょっとして心配してくれてるかな?」
こんな考えが浮かぶ自分がおもしろかった。
受け付けの準備をしていると、映子が飛んできた。
受け付けの手前で走るのをやめ、息を切らせながら、早足でやってくる映子に
佐代子「どうしたの?そんなに急いで」
映 子「ねえ、今日、彼に会った?」
佐代子「寝過ごしちゃって…バカでしょう」
映 子「あ、そうなんだ。ふぅ〜、いい情報なんだけど、買う?」
佐代子「何それ?」
映 子「買う?安くしておくわよ…ね」映子は、まだ息が苦しい様子だった。
佐代子「ちょちょっとこっちへ来て」
佐代子は、受け付けの後輩たちから離れるように、受け付けの裏に映子を連れていった。映子は、佐代子の両肩に手をかけて言った。
「彼、今日、うちの会社に来るよ」
佐代子「え〜ぇぇホント?」
映 子「ナレッジテクノロジーが、大きな仕事の打ち合わせに来るのよ、私、もっと早く予定表をチェックしておけばよかった。1週間も前にわかっていたのよ、ごめんね」
佐代子「ううん、いいの。それで…」
映 子「うちのハイテク部門の佐伯部長のところでね、新しいシステムの開発をナレッジに委託するみたいなのよ」
佐代子「佐伯部長…また、強力な相手ね」
映 子「それがね、佐伯部長が、ご指名らしいの、ナレッジを。それでさ、担当者にちょっと聞いてみたのよ、向こうの担当はどたなですかって、そうしたら、名刺見せてくれたさ、あったの田嶋卓って」
佐代子「一人で?」
映 子「部長さんと課長さんの二人を連れてくるみたい」
佐代子「どうしよう、知らん顔できないし…」
映 子「もう、ここは見切り発車しかないんじゃない」
佐代子「というと、彼がハンカチのことをわかってくれたってこと?」
映 子「そうよ」
佐代子「でも、上司2人と来るんだから…何もなかったような顔するでしょう、ふつう」
映 子「多分ね、それで続きは明日の朝かな」
佐代子「でも、万が一ということもあるわよね」
映 子「そうよ。だって、サヨがここの受け付けだって、気づいてないんでしょう?」
佐代子「多分ねというか、きっとわかってないと思う」
映 子「じゃあ、こっちは思いっきりアピールのチャンスだよ」
佐代子「そうよね、一応大会社の受付嬢だもんね」
映 子「一応ね…でも、あんた言うようになったわね」
佐代子「冷静な判断をしたまで…で、何時?」
映 子「午後1時30分」
佐代子「1時半か、私、午後は受け付けじゃないのよ」
映 子「こんなチャンスないよ、何とかしな」
佐代子「う〜ん、わかった動いてみるね。ありがとう」
映子は、佐代子の返事を聞いて、さっさと自分の部署に戻っていった。
佐代子は、すぐさま、今日の受け付け予定表に目を通した。
午後、午後…ユキちゃんね、サッちゃん、ヨシコね。う〜ん、名簿の名前を見て、しばらく考えていた。
ドアが開き、最初の訪問者が受け付けに来た。
佐代子は、「ちょっとごめん、よろしくね」と後輩に一言いって、裏に回ってしまった。一番、佐代子の勝手を聞いてくれそうな、サッちゃんに電話を入れた。
「受け付けの池上です。佐藤さんお願いします。」
「はい、佐藤です。先輩なんですか?」
「悪い…お願いあるんだ。」
「なんでしょう?」
「午後の受付かわってくれない、明日の午前と」
「明日の午前ですか…ちょっと待ってくださいね」
ほんの1分ほどして
「いいですよ、ちょっと予定動かしましたけど、何とかなります」
「ありがとう、サチ」と言って佐代子は電話を切った。
表に戻ってきた佐代子に、後輩が「サヨ先輩、何かあったんですか?」
「うん、ちょっとね、かわってもらったから、私午後もやるから」
「はい、わかりました」と後輩は、もう一人の後輩に伝えていた。
さ〜て、午後一番か…どうしよう
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