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■もう一つの8時18分 第30話「大福」

 佐代子は、次の日から早い列車に乗り、彼と時間を合わせないことに決めた。

 もし、彼とうまくいっても、人の目がある。もし、うまくいかなかったら、なおのこと彼と顔を合わせたくない思ったからだった。

 佐代子が受付の仕事を終え、秘書課で仕事をしていると、橋専務から呼び出しがあった。すぐさま、専務の部屋に向かい
「失礼します」部屋に入ると、橋が珍しく忙しそうにしていた。
「お~サヨちゃん、悪いが、これを大至急16部コピーとってくれないか」
「はい、専務、お出かけですか?」
「いやいや急にな、ほら、前に言ったことがあるだろう新しい事業のこと、あれを聞きたいと三銀の吉田が言ってきよった。」
「三友銀行の吉田取締役…そうですか。それでお出かけのお時間は」
「あと30分だな」
「はい、承知しました」
 佐代子は、橋じいちゃんから預かった書類を持って、秘書課に急いで戻った。
「ごめん、これ16部至急コピー・製本手伝って」佐代子は、後輩の美子に指示した。
「はい」美子は、さっと席を立って、コピー機の方に向かっている佐代子を追った。
「橋専務が、ご自分で説明に行かれるそうなの」佐代子が美子のコピーしたものを製本しながら言った。
「そうなんですか、よほど肝いりなんですね」美子がコピーしながら答えた。
「ていうか、誰も相手にしてくれないのよ」寂しそうに佐代子が言った。
「うまくいくといいですね、私、専務の隠れファンですから」美子がいたずらっぽく笑った。
 2人はテキパキと仕事をこなし、佐代子は10分後には製本された書類を手提げ袋に入れて専務の部屋に戻った。
「遅くなりました。16部できましたが、専務がおひとりで行かれるのですか?」
「ああ」
「ご一緒させていただけないでしょうか?」佐代子は、せめて自分が鞄持ちでもできればと思った。
「サヨちゃん、忙しいだろう、いいよ」
「ぜひ、鞄持ちぐらいなら、わたしにもできますから」珍しく食い下がる佐代子に、橋は目を細めて
「そうか…なら、悪いが一緒に来てくれるか」
「はい、支度してまいります」そう言うと、佐代子は急いでロッカー室に向かい、身支度を整えた。
 二人は、社用車に乗り、系列銀行に向かった。
「サヨちゃん、向こうでは悪いが外で待っていてくれるかい」
「はい、承知しています」
「いやいや、外に出てちょっと買い物をしてきてくれんか、こっちの話が終わったら携帯に連絡するから」
「はい、何を買ってくればよろしいんですか?」
「わしのネクタイを2、3本選んでくれんかな、最近の流行がさっぱりわからん」橋は、3年前に妻を病気で亡くしていた。
「はい、専務のお好きなものを選んでまいります」佐代子は、ちょっとうれしかった。しょうがない、おじいちゃん。
「専務、少し時間がありますね、ちょっと寄り道してよろしいですか?」
「おお、構わん」
「中島さん、済みません、ちょっと次の次の交差点を左に入っていただけますか」
 佐代子は、運転手の中島に道案内をして、古びた和菓子屋の前に車を止めさせた。
「ちょっと行ってきます」佐代子は、車を降りた。
「サヨちゃんは、いい子ですね」初老の運転手、中島が前を向いたまま言った。
「そうじゃな、いい子じゃ」橋はニコニコしていた。
 佐代子は小さな手提げ袋を1つ持って急いで戻ってきた。
「済みませんでした。中島さん、お願いします。」
再び、車は三友銀行に向かった。
 車を降り、佐代子が受付にアポイントをとると、案内が一人、応接室に通してくれた。
「ちょっと早かったですね」佐代子が時計を見ながら言った。
「いやいや、このくらいでちょうどいいんだよ…ところで、サヨちゃん」
「はい」
「聞いたよ…受付ナンパ事件」橋は、ニヤニヤしながら佐代子の顔を見た。
佐代子は、びっくりした。真っ赤になっていく自分の顔を両手でかくした。一言も出なかった。
「ハハハ…わしの耳は地獄耳じゃからな」
「はあ~」真っ赤になったまま前を向けない佐代子
「心配せんでも、だれにも言わんよ。ちゃんとほかのものには口止めしてあるから…でも、よかったの、一気に前に進んだんだろう?」
「はい、専務に背中を押していただきました」
コンコン、ドアのノックする音がして、担当者らしい行員がドアを開け
「お待たせいたしました。全員そろいましたので、よろしくお願いいたします。」と深々と頭を下げた。
 応接から出て、前を歩く橋に、佐代子が後ろから
「専務、これ吉田取締役へのお土産です。この店の近くを通ったからとおっしゃってください。大福です。」と小声で言いながら、手提げ袋を握らせた。橋は、にっこり笑った。
 会議室に通されると、既に担当者らが集まっていた。吉田取締役が橋のところやってきて握手をしながらあいさつをしていた。
「これ、この店の近くを通ったものでな、どうかと思って」橋は、吉田に手提げ袋を渡した。
「いやいや、これはなるみ屋じゃないですか、ここの大福が最高なんですよ。よくご存じで、いや、これはありがたい」
「その大福じゃよ」橋が言った。20060705193725.jpg
「ハハハ、もう一本取られましたな」吉田は上機嫌だった。
「せっかくだ、みんなでいただこう」と吉田は女子行員に大福を渡した。
 その間に、佐代子は持ってきた資料を担当者とおぼしき行員に説明をしながら、渡していた。行員はそれを受け取り、全員の席の前に並べていた。
 一通り準備ができたのを見届け、佐代子は
「専務、それではわたしはこれで、御連絡をお待ちしています」と言いながら、会議室を出た。

 銀行を後にして、
 「ふ~なんでバレてんだろう?」



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