■青春の探検部「川下り 保津川のアイドル」
それから、毎週、俺たちはほかの部員たちとは別行動になり、川下りの練習だけに取り組んだ。
京都では保津川を使って訓練していた。保津川は、下っていくと名前が変わり桂川となり、京都の名所、嵐山にたどりつく川だ。
まだ、肌寒い時期に、35キロのゴムボートやオールなどの装備をでっかいリュックで担ぎ、ヨッサヨッサと4人が列車に乗り込む、乗客は一目で、いや〜な目で見る。
しかし、俺たちにも一応プライドみたいなものもあって、どんなに長い距離でも、立っている人がいるときには決して、座席には座らなかった。
目的地の駅に到着して、装備を担いで川岸まで歩く、これがかなりきつい、重い装備を担いでいると、坂は上るより下る方が圧倒的に辛い、膝ががくがくになってくる。
やっと目的地に到着すると、即、ボートを膨らます。これがしんどい、6人乗りのゴムボートを人力で膨らませるのにはかなりの時間がかかる。もちろん、1年生が交代でやる。
このボート、2年ほど前の先輩が、なんとあの有名な岡○理研さんに行き、直談判して、もぎ取ってきたというからすごい代物、さすが世界の岡○理研さん、丈夫で長持ちで、まだまだ現役だった。

さて、準備はできた。おのおのライフジャケットを着込み、寒がりの先輩はウエットスーツまで着込んでいた。俺たち1年坊主は、そんないいものが回ってこないので、素肌に毛糸のセーターと水泳パンツの格好だった。
綿のようなものは、水を含んでしまうので、一旦濡れると水分が体温を奪ってしまう、その点、毛だと、すぐ水が落ちて乾いてくれる、これが夏でもセーターと水泳パンツの理由だった。さて、ヘルメットを装着して、いざ出陣!
装備を防水バックに詰め、ボートに積む、そしておのおのポジションにつく。前の2人は、いわばエンジン役、後ろの2人はかじ取りを行うことになる。当然、俺とソノダは前のエンジンだった。
タラタラと、トロいところを流れに任せて進んでいく。
すると、後ろから
「コラ〜危ないど、どかんかい!」と怒鳴り声が聞こえる。
保津川下りの舟が後ろから迫ってきた。観光で川下りをやっている、あれだ。
しかし、船頭のおっさんはうまい。なんで、棒1本であんなにうまくコントロールできるのか、本当に格好いいもんだった。
仕方なく、俺たちは、その船が通り過ぎるまで、端の方で待っている。すると、ビニールカッパをかぶった、おばさんたちの団体が、それなりの黄色い声の歓声が聞こえる。
俺たちをカメラで撮っている変なおばさん、手を振ってくれるおばさん、おばさんもこういう場に来ると、かなりハイテンションになることが判明した。
先輩が言った。
「俺ら、保津川のアイドルや」
つづく
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それから、毎週、俺たちはほかの部員たちとは別行動になり、川下りの練習だけに取り組んだ。
京都では保津川を使って訓練していた。保津川は、下っていくと名前が変わり桂川となり、京都の名所、嵐山にたどりつく川だ。
まだ、肌寒い時期に、35キロのゴムボートやオールなどの装備をでっかいリュックで担ぎ、ヨッサヨッサと4人が列車に乗り込む、乗客は一目で、いや〜な目で見る。
しかし、俺たちにも一応プライドみたいなものもあって、どんなに長い距離でも、立っている人がいるときには決して、座席には座らなかった。
目的地の駅に到着して、装備を担いで川岸まで歩く、これがかなりきつい、重い装備を担いでいると、坂は上るより下る方が圧倒的に辛い、膝ががくがくになってくる。
やっと目的地に到着すると、即、ボートを膨らます。これがしんどい、6人乗りのゴムボートを人力で膨らませるのにはかなりの時間がかかる。もちろん、1年生が交代でやる。
このボート、2年ほど前の先輩が、なんとあの有名な岡○理研さんに行き、直談判して、もぎ取ってきたというからすごい代物、さすが世界の岡○理研さん、丈夫で長持ちで、まだまだ現役だった。

さて、準備はできた。おのおのライフジャケットを着込み、寒がりの先輩はウエットスーツまで着込んでいた。俺たち1年坊主は、そんないいものが回ってこないので、素肌に毛糸のセーターと水泳パンツの格好だった。
綿のようなものは、水を含んでしまうので、一旦濡れると水分が体温を奪ってしまう、その点、毛だと、すぐ水が落ちて乾いてくれる、これが夏でもセーターと水泳パンツの理由だった。さて、ヘルメットを装着して、いざ出陣!
装備を防水バックに詰め、ボートに積む、そしておのおのポジションにつく。前の2人は、いわばエンジン役、後ろの2人はかじ取りを行うことになる。当然、俺とソノダは前のエンジンだった。
タラタラと、トロいところを流れに任せて進んでいく。

すると、後ろから
「コラ〜危ないど、どかんかい!」と怒鳴り声が聞こえる。
保津川下りの舟が後ろから迫ってきた。観光で川下りをやっている、あれだ。
しかし、船頭のおっさんはうまい。なんで、棒1本であんなにうまくコントロールできるのか、本当に格好いいもんだった。
仕方なく、俺たちは、その船が通り過ぎるまで、端の方で待っている。すると、ビニールカッパをかぶった、おばさんたちの団体が、それなりの黄色い声の歓声が聞こえる。
俺たちをカメラで撮っている変なおばさん、手を振ってくれるおばさん、おばさんもこういう場に来ると、かなりハイテンションになることが判明した。
先輩が言った。
「俺ら、保津川のアイドルや」
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