■バルタン星人
日曜日、いつものように会社に来て仕事をしていた。
日曜日に仕事?…不思議に思われる方がいるかもしれないが、零細企業の社長に日曜日はないのだ。これを読みながらきっと、「そのとお〜り!」と、涙目になっているおじさんが、世の中には数多くいるのだ。
日曜日、それは自営業に毛の生えたような零細企業の社長にとっては、ただの月火水木金土日という一つの記号に過ぎないのだ。俺もこの会社をやらされてから、御多分に漏れず、「日曜日=お休み」という図式は、いつの間にか存在しなくなっていた。
さらに、俺には自分の塾の教師という仕事もあり、毎年、毎年、夏は地獄の夏期講習がある。受ける方も地獄、やる方はもっと地獄の夏期講習…それもやっと終わり、ある意味、俺の夏は終わった…クタクタのヨレヨレ状態の俺
そんな弱った俺の心を、奴は見逃さなかった。
「久しぶりに、のぞいてみるか…」
ふと、そんな思いが、俺を新しいパチ屋に向かわせた。
俺は、もともとパチンコが大好き人間だ。
今のように会社の社長と塾の二足のわらじ生活ではなく、塾の教師だけをやっていたときは、セミプロ気取りでジグマのごとく通いつめていた。
その辺のことは「■回想 パチプロ気取りの…かつてのある日(その1) 」に書いてあるので、またよかったらどうぞ。
こんな田舎にも、次々と大型資本のパチ屋ができてきた。新聞の折り込み広告を見て、どんどんでかくなっていく新しいパチ屋に行ってみたいと思っていたところだった。
広くてきれいな店内、「都会のパチ屋みたいや〜」、入って初めての感想である。
店員は、「みんなかわいい女の子や〜」、入って二つ目の感想である。(この感想については、たまたま開店のときだけということが後々判明した。今は、おばさんばっかり…)
一通り、どんな台があって、どの程度出しているのか、グルグルと店内を見回った。
そして、最近流行の「デジハネ」なる台に、客が群がっているのが気になって、ジロジロと空いている台の釘を見ていた。
「ほう…釘あいとるわ」、入って三つ目の感想である。
そして、ほとんど打たれていない台を見つけた。
「ウルトラマン」の新しいやつかな? いや…違った。
「バルタン星人」だった。
「おっ…これおもろいやんけ」数台しかないバルタン星人の釘を比べながら、「みんな一緒や、どれでもええわ」と、一番端の台に座って、打ち始めた。
数分打っていると、やっとスーパーリーチに発展、バルタン星人とウルトラマンの一騎打ち!これは期待が持てそうだ。
画面を見ていると、ウルトラマンがふてぶてしい態度、バルタン星人を完全に馬鹿にしているのだ。
その動きがめちゃくちゃおもろい。
バルタン星人の火炎放射にウルトラマンが、負けた!!
なんと、それで大当たり!!
主役は、あくまでバルタン星人軍団なのだ。
ウルトラマンは、正義のバルタン星人率いる怪獣たちの敵となってしまっていた。
そのキャラクターのかわいらしさと、ウルトラマンの弱さに笑ってしまった。
そう言えば、笑いながらパチンコを打ったことなんかあるだろうか…しばらくはまってしまった。
しかし、俺の台のウルトラマンは、後半、どんどん強くなり、バルタン星人に勝利、レッドキングに勝利、ゴモラに勝利、「おいおい…勘弁してくれよ」の俺の願いもむなしく、ウルトラマンは勝ち続ける。
結局、俺のウルトラマンは、勝ち続け…俺は負けてしまった。
時代が変われば、ウルトラマンも悪者になるのだ。
「頑張れ、バルタン星人」と祈った俺は、金に魂を売った悪魔になってしまったのだ。
今度、暇なときは「ウルトラマン」を打とう!
とにかく、パチ屋は涼しいのだ。
では、また
そうそう、俺と会社のパートさんがつくった、おもしろショップ「ユーイング」の改装しました。
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