■第1話「つぶしてたまるか!」
長男ナオトは小学校を卒業した。同時にレギュラーとして頑張ってきた少年サッカーからも卒業した。サッカーのクラブチームには入らず、地元の中学のサッカー部に入部した。
しかし、その西部第一中学校サッカー部は、だれの目にも悲惨だった。顧問はバトミントンをやっていた先生。成り手がないので、仕方なく受けてくれているだけ。ナオトが入部したときの3年生は、先生にまともな練習もしてもらえず、完全に素人同様、2年もその後輩だから推してしるべし、試合を見にいくと、もうボロボロ…だった。
ナオトは、まともに練習もできないサッカー部に入り、それでも休まず、ずっと朝練から出ていた。そこそこ強い少年サッカーチームにいた仲間も何人か一緒に部活に入ったが、余りの情けなさに去っていく者も出てきてしまった。
ナオトが2年の秋、3年生が引退し、正式にキャプテンにはナオトが選ばれた。
その夜、息子に聞いた「目標は」と
息子が言った。「公式戦一勝」と
なんと情けない目標だった。
しかし、そのとき先輩たちが卒業し、部員は既に6人しかいなくなってしまった。
サッカー部はつぶれると噂が飛んだ。
つぶしてたまるか!
俺は、数日後、ジャージ、サッカーシューズ、ホイッスル、練習用コーン、練習用ボール数個を買い込み、サッカー部のコーチをしに学校へ出かけた。
だれの許可も取らずに。だれもやってくれと頼んでもいない、もちろん、息子にも頼まれていない…。息子に正面きって言えば、「頼むからやめてくれ」と言われたに違いない。
無茶苦茶だが、それしか…俺には思いつかなかった。
<中学部活編>
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長男ナオトは小学校を卒業した。同時にレギュラーとして頑張ってきた少年サッカーからも卒業した。サッカーのクラブチームには入らず、地元の中学のサッカー部に入部した。
しかし、その西部第一中学校サッカー部は、だれの目にも悲惨だった。顧問はバトミントンをやっていた先生。成り手がないので、仕方なく受けてくれているだけ。ナオトが入部したときの3年生は、先生にまともな練習もしてもらえず、完全に素人同様、2年もその後輩だから推してしるべし、試合を見にいくと、もうボロボロ…だった。
ナオトは、まともに練習もできないサッカー部に入り、それでも休まず、ずっと朝練から出ていた。そこそこ強い少年サッカーチームにいた仲間も何人か一緒に部活に入ったが、余りの情けなさに去っていく者も出てきてしまった。
ナオトが2年の秋、3年生が引退し、正式にキャプテンにはナオトが選ばれた。
その夜、息子に聞いた「目標は」と
息子が言った。「公式戦一勝」と
なんと情けない目標だった。
しかし、そのとき先輩たちが卒業し、部員は既に6人しかいなくなってしまった。
サッカー部はつぶれると噂が飛んだ。
つぶしてたまるか!
俺は、数日後、ジャージ、サッカーシューズ、ホイッスル、練習用コーン、練習用ボール数個を買い込み、サッカー部のコーチをしに学校へ出かけた。
だれの許可も取らずに。だれもやってくれと頼んでもいない、もちろん、息子にも頼まれていない…。息子に正面きって言えば、「頼むからやめてくれ」と言われたに違いない。
無茶苦茶だが、それしか…俺には思いつかなかった。
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