■第19話 ドキュメンタリー 最終戦 「痛恨のファール」
1点先取された、我がチーム、しかし彼らはあきらめなかった。
フォアード、マサは、自陣ゴールにゆっくりボールが転がっていくのをじっと見詰めていた。
「まだまだ…」の大声に悔しさがにじんだ
「取り返すぞ…」ハーフ陣もその声に続いた。
奴らの目の輝きはまだ消えていなかった。
まだ、前半だというのに、お互いの当たりは、どんどん強くなり、ファールの数も増えてきた。1人、また2人と選手が倒れ、相手チームは選手を交代した。
「粗い試合だ…」そんな声が耳に入った。
そのとおりだ。俺もこんな粗い試合は見たことがない。
しかし、今の奴らに…ほかに何ができる。
奴らの気迫が形になっている。これしかない…
ぶつかりあった選手同士、同じ痛みでも、こちらには控えの選手すらいない…
「おれたちは11人しかいない。交代もできないんだ。」
そんな気持ちで、痛みをこらえながら、プレーし続ける彼ら…
相手も本気だった。もうニヤついているヤツなんかだれもいない。奴らを必死させることができた。
応援に来ている親たちの中には、弱い弱い、我がチームの試合に全く興味もなく、「しようがない、最後だし、見に行ってやるかぁ〜」ぐらいで来た人がほとんどだった。
自分の子供の試合を初めて見に来た親、ルールも全く知らない親…
そんな親たちが、かたずを飲んで自分の子供を見守っていた。
本気になった相手の攻撃は、さらに厳しくなった。必死に守り、攻撃のチャンスを待つ我がチーム
そして、バックが頑張り、ボールを奪った。ナオトにボールが渡った。
ナオト、間髪入れずに「上がれっ!」の声とともに、既に走り出していた右ハーフ三沢の前のスペースにロ〜ングパス…
起死回生をねらった一発のパス
三沢、走る、走る、走る。
ヤツの足もまたピカイチだ。自分のマークを振り切り、相手の裏に走り込んだ。パスが通った。
ラインが一斉に上がる。
あいつらの目の色が変わったように見えた。
三沢、そのまま足を使ってドリブルでサイドを駆け上がる。
フォアード、ハーフ陣、センタリングに備えて、ポジションに走り込む
「上げろ!!」若手助っ人コーチが大声で指示を出した。
三沢、相手バックをかわし、体制を崩しながらも、センタリング
「長い…」
ボールは、待機していた味方攻撃陣の頭上を越え、相手バックがボールをキープ…
そして…なが〜い、縦パス
「あっ…」
敵フォアードは既にスペースに走り込んでいた。
顧問の先生「やられた…」
「戻れ〜」俺が怒鳴る
敵は待ちかまえていたように、カウンターを仕掛けた。あっという間に、パスは通り、フォアードにボールが渡ってしまった。
「とめろ〜」味方の親たちから大声が聞こえた。
1年生バック宮本が追いついた。フォアードと1対1
相手の点取り屋を相手に4月に入ったばかりの1年生が立ち向かった。
宮本では荷が重すぎる。みんなわかっていた。必死で戻る、ハーフ陣、ナオトも懸命にフォローに向かうが、とても間に合わない。
「鬼頭、戻れ、鬼頭、走れ〜」バックの鬼頭に俺が怒鳴るが…ブラジル帰りの2年生センターバック鬼頭は、上がりすぎて戻ってこれない…
宮本がかわされた…
そのとき、なんと逆サイドから左バック、トシが猛然とフォローに走った。
敵フォアード、シュート態勢に入った、
トシ、猛チャージ…
フォアードは吹っ飛んだ。トシもぶっ倒れた。
「ピィィー」…冷たい笛が鳴った。
つづく
<中学部活編>
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1点先取された、我がチーム、しかし彼らはあきらめなかった。
フォアード、マサは、自陣ゴールにゆっくりボールが転がっていくのをじっと見詰めていた。
「まだまだ…」の大声に悔しさがにじんだ
「取り返すぞ…」ハーフ陣もその声に続いた。
奴らの目の輝きはまだ消えていなかった。
まだ、前半だというのに、お互いの当たりは、どんどん強くなり、ファールの数も増えてきた。1人、また2人と選手が倒れ、相手チームは選手を交代した。
「粗い試合だ…」そんな声が耳に入った。
そのとおりだ。俺もこんな粗い試合は見たことがない。
しかし、今の奴らに…ほかに何ができる。
奴らの気迫が形になっている。これしかない…
ぶつかりあった選手同士、同じ痛みでも、こちらには控えの選手すらいない…
「おれたちは11人しかいない。交代もできないんだ。」
そんな気持ちで、痛みをこらえながら、プレーし続ける彼ら…
相手も本気だった。もうニヤついているヤツなんかだれもいない。奴らを必死させることができた。
応援に来ている親たちの中には、弱い弱い、我がチームの試合に全く興味もなく、「しようがない、最後だし、見に行ってやるかぁ〜」ぐらいで来た人がほとんどだった。
自分の子供の試合を初めて見に来た親、ルールも全く知らない親…
そんな親たちが、かたずを飲んで自分の子供を見守っていた。
本気になった相手の攻撃は、さらに厳しくなった。必死に守り、攻撃のチャンスを待つ我がチーム
そして、バックが頑張り、ボールを奪った。ナオトにボールが渡った。
ナオト、間髪入れずに「上がれっ!」の声とともに、既に走り出していた右ハーフ三沢の前のスペースにロ〜ングパス…
起死回生をねらった一発のパス
三沢、走る、走る、走る。
ヤツの足もまたピカイチだ。自分のマークを振り切り、相手の裏に走り込んだ。パスが通った。
ラインが一斉に上がる。
あいつらの目の色が変わったように見えた。
三沢、そのまま足を使ってドリブルでサイドを駆け上がる。
フォアード、ハーフ陣、センタリングに備えて、ポジションに走り込む
「上げろ!!」若手助っ人コーチが大声で指示を出した。
三沢、相手バックをかわし、体制を崩しながらも、センタリング
「長い…」
ボールは、待機していた味方攻撃陣の頭上を越え、相手バックがボールをキープ…
そして…なが〜い、縦パス
「あっ…」
敵フォアードは既にスペースに走り込んでいた。
顧問の先生「やられた…」
「戻れ〜」俺が怒鳴る
敵は待ちかまえていたように、カウンターを仕掛けた。あっという間に、パスは通り、フォアードにボールが渡ってしまった。
「とめろ〜」味方の親たちから大声が聞こえた。
1年生バック宮本が追いついた。フォアードと1対1
相手の点取り屋を相手に4月に入ったばかりの1年生が立ち向かった。
宮本では荷が重すぎる。みんなわかっていた。必死で戻る、ハーフ陣、ナオトも懸命にフォローに向かうが、とても間に合わない。
「鬼頭、戻れ、鬼頭、走れ〜」バックの鬼頭に俺が怒鳴るが…ブラジル帰りの2年生センターバック鬼頭は、上がりすぎて戻ってこれない…
宮本がかわされた…
そのとき、なんと逆サイドから左バック、トシが猛然とフォローに走った。
敵フォアード、シュート態勢に入った、
トシ、猛チャージ…
フォアードは吹っ飛んだ。トシもぶっ倒れた。
「ピィィー」…冷たい笛が鳴った。
つづく
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